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自分のにおいに悩む方へ:精神科医からのアドバイス

自分のにおい(体臭や口臭)が他人を不快にさせているのではないかと悩んでいる方は多いかと思います。

しかし、医師としての立場から申し上げますと、すべての人が生きている以上、多少におうことは避けられません。そして、実際ににおいを気にしている方の多くは、あまりにおわない場合が多いのです。

最近、ある青年が「自分のにおいで人を不快にさせるのが怖いので、人から距離を置いています」と打ち明けてくれました。私はその青年に対し、こう尋ねました。「例えば、Aさんという人があなたのことを好きだとして、『Aさんがあなたのにおいで嫌な思いをする可能性は0.1くらい』で、『あなたが近くに座らない、あなたから話しかけないことで嫌な思いをする可能性は10くらい』ということはないのですか?」と。彼は「確かに、自分からは近くに座ったり話しかけたりすることはありません」と答えました。

その後も彼は自分のにおいが気になると言いました。そこで私は「過去に誰かににおうと言われたことがあるのですか?」と尋ねると、彼は「そうです」と答えました。私は続けて、「人ににおうと言ってくるのは、あなたを本当に思いやって、そのことを傷つけずに伝えようとする人か、単に失礼な人のどちらかです。失礼な人と、あなたと仲良くなりたいと思っている人のどちらを大切にするべきですか?」と聞くと、彼は「確かに失礼な人を気にする必要はありませんね」と納得しました。

自分がにおうかもしれないと気になる気持ちは理解できますし、人を不快にさせたくないという思いもわかります。しかし、大切にするべきは、今のあなたを大切にしよう、仲良くしようとしてくれる人です。誰しも少しはにおうものですし、100パーセント「きれい」な状態を保つのは不可能です。
自分のままで良いと思うことには勇気が必要かもしれませんが、優先順位を間違えないようにしてほしいです。

自分を後ろ向きにさせる人ではなく、前向きにしてくれる人を大切にしてください。それが、あなたが本当に大切にすべき人たちです。

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