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書評「Thinking Baseball」慶應高校が甲子園で優勝した理由がよく分かりました!

こんにちは、サカモトです。

先日、2022年の夏の甲子園で優勝した仙台育英高校の野球部の監督の本については先日紹介させていただきました。この本読んで感動したんですね。

高校野球といえば、しごきであるとか、監督の言うことは絶対と言った完全な上下関係といったことを思いがちですが、全然違うんです。いかに選手とコミュニケーションを取ろうとしているのか、また、選手にやる気を持って野球に取り組んでもらうためにどのように選手に声をかけるかが書かれていて、驚きでした。

これまではこうした選手と丁寧なコミュニケーションをとると言うことは理想論として語られることはあっても、結果を出すことも無理とされてきたのではと思います。時代は変わったのか、それとも、強豪校の中でここまで理想を実践することがなかったのか、多分両方なんでしょうが、こうした理想論を実践する組織が結果を出すようになってきたと言うのは注目に値しています。

あまりに仙台育英高校の監督の本が面白かったので、2023年に優勝した慶應高校の野球部監督の本も読んでみたいと思ったのですが、やっぱりこちらも内容が素晴らしかった。

タイトルが英語なのがなんとなく鼻につきますが(今年優勝してなければ手にとってなかったでしょう)、内容はそんなことはありません。

印象に残ったのは、高校野球の意義であるとか、役割とかをきちんと問い直していることですね。高校野球というと、春夏の甲子園のイメージがあって、過酷な環境の中でエースが何連投もして、投手によっては選手生命を縮めながら、試合に臨むというイメージがあります。果たしてそういうあり方がいいのでしょうか、そんな問いかけを本書の中でしています。

それから、監督の言うことをただ従うだけではなくて、選手自らが考えていくようになる、それにより、高校を卒業した後に、その後に野球を続けるかどうかはともかくとして、役に立つことになります。言うは易し、行うは難しなのですが、それを実践しようとしていることが素晴らしいです。

この本は高校野球の関係者に向けて書かれた本ではないかと推測しますが、これらのことは実は一般人の考え方を変えるべきということだと思いました。我々が高校野球の勝った負けたを喜んで見ているうちに、選手たちに過剰な期待やプレッシャーを与え、今までの高校野球のイメージを押し付けているところが少なからずあるだろうなと。我々一般人が変わっていかないといけないんでしょうね。

もう一つ、部員が100人ぐらいいるそうなんですが、そうするとどうしても試合に出れない選手も出てきます。そうした選手も1日の中で何かしら意義ある練習ができるよう心を砕くそうです。

レギュラーは試合に出場するのでテンションを高く保つと言うのは当然ですが、試合に出れない選手にやる気を無くさせない、試合に向かっていく気持ちを持たせることが重要です。そうしたことにきちんと配慮しているそうです。

慶應高校は神奈川県にあって、横浜高校など強豪校がひしめいているわけですが、そんな中でも甲子園出場を果たし、そして全国優勝を果たす理由が分かったような気がします。

これからも慶應高校の活躍は要注目ですよ。




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