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映画「私たちの青春、台湾」日本と台湾のドキュメンタリーの違いを感じた!

こんにちは、サカモトです。

今回は、映画「私たちの青春、台湾」の紹介です。

こちらの映画は以前紹介した本「オードリー・タンの思考」で紹介されていた映画で、2014年のひまわり学生運動の様子がよく分かる映画となっています。

ひまわり学生運動

ひまわり学生運動とは、2014年に学生を中心とする市民が台湾の立法院を23日にわたって占拠した学生運動です。

ひまわり学生運動では、オードリー・タンさんが配信で中心的な役割を担うなど活躍し、後のデジタル大臣として採用されるきっかけになったといいます。


ドキュメンタリー映画

この映画はひまわり学生運動で中心的な役割を担った2人の学生のドキュメンタリー映画です。日本と台湾のドキュメンタリーのあり方の違いが感じられて面白いです。

日本では、個人の日々を追うドキュメンタリーとしては、情熱大陸やプロフェッショナルが有名ですが、BGMやナレーションなどでストーリーをつけるのが普通です。

それに対して、この映画では、淡々と二人の日常を撮影していくのが特徴です。情熱大陸やプロフェッショナルなどの演出に慣れている身としては、ちょっと物足りなさを感じるものの、本来のドキュメンタリーはこうなのかもと思わされます。

日本と台湾のドキュメンタリーに対する違いが分かって興味深いです。


主役の二人はひまわり学生運動の後失速する

主役の二人は、ひまわり学生運動で中心的な役割を担うものの、その後、失速します。映画の前半でイキイキとしていた様子が映し出されているからこそ、その対比で目立ちました。

一人は立法院議員に立候補しようとしますが、過去のスキャンダルにより、立候補を取りやめます。そのスキャンダルの内容がひどいです。なんと、高校生時代、痴漢を繰り返していたということです。マジか。しかし、過去の過ちによりいつまでも尾を引くというのは日本も台湾も一緒なんですね。

もう一人は、大学の自治会選に立候補しようとするものの、中国本土の国籍を持つということで、正当な扱いを受けられず、そのまま敗北してしまいます。

ひまわり運動を経て、立法院補欠選挙に出馬した為廷は過去のスキャンダルで撤退を表明。大学自治会選に出馬した博芸は、国籍を理由に不当な扱いを受け、正当な選挙すら出来ずに敗北する。
 それは監督の私が求めていた未来ではなかったが、その失意は私自身が自己と向き合うきっかけとなっていく——

オフィシャルサイトより

二人がうまくいかないことは、若いうちは勢いでなんとかできてしまうということなのか、それともひまわり学生運動という運命的なイベントに出会うことで活躍できたということなのか、どちらにしても色々と考えさせられました。

最後に、2018年に二人が一緒にインタビューを受けるわけところがクライマックスです。二人は一時期の華々しい活躍からは一線を引いてしまったのですが、地味ながら前を向き、新たな活動に踏み出そうとしているところがよかったです。

見終わったあとに不思議な余韻が残るちょっと不思議な映画と言えるでしょう。


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