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建売も、注文住宅も、立地が大事(地形編)

建物の前に、建てる土地の話をします。


絶対にやめとけ、という土地

日本中で、住宅が建ってる土地というのはそう珍しくありません。人間が住めそうな土地を可住地と言いますが、住めそうなところだからどこでもいいのでしょうか。そんなことはありません。
そこだけは絶対にやめとけ、という土地があるのです。

  • 水害がありそうな土地

絶対にダメです。
国土地理院のハザードマップポータルサイトがあります。買おうとしている土地がどのような危険があるのか、わかります。ちゃんと調べましょう。
どこでも結構ですので(と言っても、買おうと思っているエリアを見たほうがいいでしょう)ハザードマップの水害リスクを見てみましょう。色が付いているところはやめたほうがいいです。うすくピンクになっているところだと、水が出てもリスクとしては濃いピンクよりも低いことは低いのですが、雨が降るたびに水が出る心配をしてしまう心理的負担が大きいです。川沿いは日本中、どこでもだいたいはピンク色です。

もうひとつ、水が出そうかどうかという判断材料に航空写真があります。地図・空中写真閲覧サービスという、これまた国土地理院のサイトがあります。希望のエリアの古い写真を見てみます。すると、以前は川があったとか沼だったとか、そういうところがけっこうあったりします。埋め立てたところはどうしても低いですから、水が出やすいいです。川の流れを変えたところも、やはり低いことが多いです。また、田んぼになっているところは、畑だったところより低いことが多いです。

平成の大合併で市町村の古い地名が無くなったのは、記憶に新しいですが、それより以前でも、昔からの地名はどんどん無くなっていってます。旧地名はけっこう調べることができるので、ナントカが丘とか、カントカ台などという新地名になる前の地名を確認してください。水にちなむような字が入ってるとか、竜や蛇などの字、湿地を埋めたので梅や田んぼにしたので新田などなど、危なそうな地名だったところは、古地図や航空写真を確認しましょう。

そして低いところ、水の出やすいところのリスクには湿気、カビがあります。周囲に比べ凹んでいる場所というのはどうしても風が抜けず湿気がたまりやすいという特徴があります。
最近では気密性が高くなり、24時間換気になって屋内のカビの発生は減っていますが、それでもやはりカビた、ということを見聞きします。外壁に至っては、低地で湿気のたまる土地の家が軒並みカビているというのを見たことがありませんか。必ずと言っていいほどカビます。

海や川のそばは一生リスクを感じながら生きていく(つらい)

毎年のようにニュースになりますが、日本中どこでも、水害のリスクがあります。川沿いで堤防が見えて、堤防が目線より高いところというのは堤防が切れたら確実に水没しますので、いくらきれいに造成された駅近のニュータウン的なところでもやめたほうがいいです。雨のシーズンになるたび、ビクビクしながら生活をしなければなりません(逆に慣れてしまって「大丈夫だろう」となってしまい、いざというときに逃げ遅れるということもあります)。
海のそばではやはり津波です。一生のうち一度も無いだろうと思いますがこれも地震があるたびに心配しなければなりません。東日本大震災のあと、津波被害があった場所に再び家が建っていますが、なかなか心配なものがあります。

雨が降れば崖くずれ土砂災害

水害のもうひとつの側面が土砂災害です。これは山肌に建っていなくとも、平地であっても、土石流などの出口方向である場合にはリスクがあります。山沿いのニュータウンみたいなところで、谷から続くように三角に開発されたところなどは心配になってしまいます。
もちろん、傾斜地などで自分の土地が崩れそうというのは論外です。大規模開発されたニュータウンなどでよく見られますが、中心部は平らなのですが周辺部はやや傾斜している(あるいはモロに階段状になっている)というのがあります。そのような場所は、宅地化するときに切土盛土をしている可能性が高いです。
水が出そうにないような丘陵地でも、より高いところから土砂が流れてくるという可能性があります。どの程度危なそうかというのは、前述した国土地理院のハザードポータルで見れますので、絶対に確認しましょう。

水害のリスクは地形である程度避けられる

大規模に開発されたニュータウンだから大丈夫だろう。
古くから人が住んでいる場所だから大丈夫だろう。
まわりより高いところだから大丈夫だろう。
立派な堤防があるから大丈夫だろう。
ここで水害というニュースは見たことがないから大丈夫だろう。

というような思い込みで、いざ建てよう、買おうと思った土地が良く見えることがあります。あるいは、条件の良さそうな土地なので少々のリスクは目をつぶるかという気持ちになるかもしれません。
しかし、毎年どこかで水害土砂災害があるのが日本です。住めないわけではないですが、安心して住めないという土地があります。ある程度エリアを決めている場合でも、よく調べれば安全なところとそうでないところがあるとわかります。相続などで土地が決まっているということでもない限り、選べる範囲でできるだけ安心な土地に住んでください。

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