ラブホテルのバイト③

私がラブホテルでアルバイトをしていた時、そこには様々な背景を持つ人たちが集まっていました。

中には学生や副業をして小遣いを稼ぐ人、貯金を目的にしている人、借金返済のために働く人もいました。

その中でも特に多かったのは、本業が終わった後に副業でバイトに駆けつける人たちでした。

振り返ると、彼らはまさに体力の化け物であり、社会経験が豊富なため、バイトの仕事にも真剣そのものでした。

彼らからは、仕事に対する真摯な姿勢や責任感を多く学びました。疲れていても仕事の質や速度を落とさない彼らは、その姿勢が評価されてか、時給も他の人より少し高めだったようです。

このグループの中で一際目立っていたのは、スーツをきっちり着こなし、どこかの企業の高役に見える男性でした。彼はアルバイトでもどこか品格があり、周囲からはその態度が話題になることも。しかし、彼自身は周りの言葉を気にすることなく、自分の仕事に集中していました。

彼がなぜアルバイトをしているのか、長らく疑問に思っていました。辞める際に勇気を出して尋ねてみると、過去に起こしたトラブルで、ずっと慰謝料を支払い続けているとのことでした。

事情を知った時人生は予測不可能なものなのだなと感じました。誰もが様々な理由で働き、生きているのだなと、世の中の事を少しだけ知れた気がしました。

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