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グルテンに想う

私の実家は、朝食に白ごはんと味噌汁に和食のおかずが並ぶのが当たり前である。
今考えると母親は立派すぎた。
母親もそう育ったというのもあるだろうけれども、結局物心ついた時からいまだ、基本の朝食テンプレは変わっていない。

父親は結構な稼ぎ手のサラリーマンだが、家族団欒、家の食卓を何よりも愛していたため、外食は年に1〜2回程度の大イベントだった。(それもファミレス)あと父親はカップ麺とファストフードとコンビニのお惣菜が嫌いだった。

そんな親の嗜好と食生活で育った私も、高校生の時はスタバの限定フラペチーノにハマった。
蓋から溢れるホイップにチョコレートソースを追加するのは当たり前だったし、お昼ご飯は2段弁当とパン、帰宅して夜ご飯の後にアルフォートのファミリーパックを1日で半袋平らげる生活を送っていたが、片道8kmの自転車通学と毎日の部活でカロリー収支のバランスが謎に取れていた。恐るべし成長期。

大学生になり、居酒屋のアルバイトを始めてからは深夜に唐揚げを食べたり朝まで飲み会に行くことも増えたが、高校時代のように部活や通学などのカロリー消費のタイミングがなかったため、深夜の唐揚げは3ヶ月を超えたあたりできれいにまるっと4kg太った。
さらに、醤油だれに漬けられた唐揚げの塩分で、むくみすぎていた。

鏡に映った中秋の名月並みの丸顔に流石に焦りを覚えて、店長に「まかないの肉、揚げないでください」と宣言し、肉は自分で焼くようになった。

体重は無事に戻った。

社会人になって一人暮らしを始め、足がはやいという理由で肉も卵もほぼ買わず、大豆製品と野菜ばかりを好んで食べるようになった。
土日は予定を詰めて遊ぶことが好きで外食の機会が多いので、平日でバランスを取るよう心がけている。

小麦に関してはもともと便秘体質だったのと、糖吸収の際のインスリンへの耐性が激弱で、眠気により意識を飛ばすことが多すぎるためできる限り避け、炭水化物は芋・オートミール・十五穀米で摂るようになった。
悲しいかな、うどんもパスタもパンも素麺も、食べると3時間くらい眠気で動けない。糖耐性がないのと眠気に人よりも特別弱い体質。

実家以上にヘルシー、もはやインスタグラマーを地でいく生活をしている。流石に東京のOLすぎる。
「これ食べたら痩せる!」という投稿に書いてある「食べたら痩せる」ものしか食べてなさすぎて、逆に痩せない。

バナナ、さつま芋、アボカド、ヨーグルト、大豆製品、発酵食品。

平日はていねいな暮らしのハッシュタグに並んでも引けを取らないベジタリアンな一汁三菜を摂り、土日の飲酒でプラマイのバランスを取る生活も1年半を超えた。

そんな私が先日、酔った勢いで深夜の3時にラーメンを食べた。

お腹が空いていたわけでもないが、流れとノリで、25歳にして人生初の深夜ラーメン。背徳の味だった。
※脂っこい炒飯(小)よりラーメン(あっさり醤油・細麺)の方が胃にやさしいのでは、という情けない酔っ払いなりの判断


結果、朝8時に帰宅しても全く消化されていない感覚に絶望した。
手始めに太田胃酸を飲んだ。
お昼にベジタリアンな食事を軽くしてコーヒーを飲み、散歩をして昼寝。
起きても胃に強めの存在感を感じた。そろそろ怖い。
大正漢方胃腸薬を飲み、夜ご飯をパス。
起床、18時間何も食べていないのにお腹が減らない。いよいよ怖い。
ヨーグルトを食べて散歩、コーヒーを飲んでいたら腸が激痛。
近くの薬局で整腸剤を買い、温かい紅茶を2杯飲む。就寝。

結局、ラーメンを食べて早48時間、まともな空腹感もなく、まともな食事をまだできていない。

先週ひとつ歳を重ねた年齢なのか(25だけど)、食生活なのか。

もう食べられなくなった油、もう消化できなくなったグルテンに想う。

(※ラーメンはめちゃくちゃ美味しかったです)




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