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「はやく長男くんとお話がしたいです」


私は、いつから一人で子育てをしているつもりになっていたんだろう。

こんなにも身近に、長男のことを理解しようと手を差し伸べてくれる人達がいるのに。
私の頭の中は「長男のことを理解してもらえるか、受け入れてもらえるか」という不安でいっぱいだった。



今日、幼稚園と長男の今後について話し合いをした。

話の要点としては二つ。

「幼稚園としてどこまで長男に対応してもらえるのか」、そして「療育との平行通園は可能かどうか」ということだった。


まずは「幼稚園としてどこまで長男に対応してもらえるのか」について。

ASD(自閉症スペクトラム)の疑いがある長男は、今、感覚過敏と強いこだわりによる園服・体操服を嫌がる、それを含めた登園拒否、そしてトイトレが進まないということが特に困りごととしてあった。

まずは園服についての話をした。
今現在、幼稚園にお願いして、長男は園服の日は、カバンに園服を入れて体操服で通わせてもらっている。体操服の方が着せるのがまだ楽だからだ。

保健センターの発達相談で受けたときに「長男くんに合わせて私服で登園させてもらうとか...」という助言をもらった。

でも、私は周りの子を差し置いて長男だけ私服登園というような"特別扱い"はきっと許されないだろうと思っていた。
でもひとつの方法として、そのような助言をもらったと先生方に話をしてみた。

結果としては思っていた通りだったのだけれど、それは担任の先生からのひと言で決まった。

「もし、私服登園をしたら長男くんは周りの子と違うことを気にしてしまうかもしれないし、それよりも周りの子が長男くんに「なんで?なんで?」と詰め寄ってしまうとそれが返って長男くんの負担になってしまうのではないか」

「確かに!」と思った。
私は幼稚園や周りの子に迷惑をかけないことばかりを考えていたので、先生の長男のことを慮る言葉にハッとさせられた。

他にも、「長男くんはキュッと締め付けられる服が嫌そうですね。なので、半袖の方がいいのかも。この時期は寒いですけど...」と長男の感覚過敏を理解してくれていて、「そのときの長男くんが快適に過ごせる服を着せているので、制服のズボンのなのにシャツは体操服だったりとチグハグですが、長男くんが着たいもので対応してます〜」ということだった。

ありがたい、の言葉に尽きる。
先生だって暇じゃないのに。長男のことをここまで理解して対応していただいていることに、本当に感謝しかない。


そして、療育との平行通園は「やりましょう」と快く引き受けていただけた。

園長先生にも、長男の特性についてや先生方の普段の長男の様子についての話から「それは大変だったね」と言葉を掛けていただいた。

今後、療育のスケジュールについて事業所の方も含めてまた話し合いをすることになった。


私が思っていたよりも深く、担任の先生は長男のことを理解してくれていた。

「最近、お友達と仲良く話しているところも見かけるんですよ。でも、私がそこに話しかけるとスンと真顔になっちゃうので話しかけられなくて」

と言って先生は困ったように笑った。でも、すぐに

「はやく長男くんとお話がしたいです」

と笑ってくれた。


長男の担任の先生は電話などで話をするたびに「長男くんの笑顔が見たいです」「長男くんの楽しそうな声が聞きたいです」と常に言ってくれる先生だった。(嫌味な意味ではなくて、本当に明るく前向きな感じで)


先生からの言葉と笑顔が、私の心を救ってくれたことに先生は気付いているだろうか。


そして、先生は言った。

「最近、クラスの子で警察ごっこが流行っていて。私が逃げて、クラスの子達が追い掛けるんです。めちゃくちゃに疲れます...でも、長男くんも楽しそうに追い掛けてくれるんですよ」


その話を聞いて、私は思い出したことがある。


この前、子供達を連れて公園に行ったときのこと。

そこには次女のお友達もいて、一緒にみんなで遊ぶことになった。

そのとき、長男がいち早く何をして遊びたいのか声を上げたのだ。


「ぼく、けいさつごっこしたい!」



きっと、長男の心には届いてる。

どれだけ先生と話すことが苦手でも、「うん」か「いいえ」と首を振るか頷くことしか出来なくても。

先生が、自分達のためにいつも一生懸命に接してくれていること。

絶対に、届いてると思うんだ。



このことを先生に伝えたら、一瞬、驚いたような表情を浮かべたと思えばすぐにとびっきりの笑顔になった先生を見て、

長男のことを思ってくれている人がここにもいるんだ

と気付かされた。


なんて、心強いのだろう。
長男のためにも、理解者や支援者はきっと多い方がいい。


先生もこれが仕事なのはもちろん分かっている。だけど、私は救われたから。

先生方が一生懸命理解してくれようとしていること、少しでも長男に歩み寄りたいと思ってくれていること。

親として感謝の気持ちでいっぱいになる。


もし万が一、今後なにかあったとして「やっぱりうちでは対応出来ません...」となったとしても、絶対に今日のことを忘れたくないと思う。

ここまで歩み寄ってくれたのだから、って。

それだけは、無くならない事実だから。

それだけで、救われたから。




先生方、本当にありがとうございます。

この幼稚園で長男の成長をゆっくりと見守っていきたいなぁ...。




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