20200814 vsフライヤーズ

PRE-GAME

0勝1敗で迎えたスタンリーカップ・プレイオフ・1stラウンドのGAME2です。前日のことですが、クラブから発表があり、ヘッドコーチのクロード・ジュリエンが胸の痛みを訴え、救急車で搬送されたとのこと。ステント手術を施し、療養のためにチームを離脱、モントリオールへ帰ることになりました。プレイオフの残りは暫定HCとしてカーク・マラーが率いることになります。命に別条はない様ですが、心配ですね。選手たちにはその分も頑張ってもらいたい、このGAME2。試合開始直前になって、ラインナップ変更。4th LINEにテコ入れし、不調のデイル・ウィースに代わって怪我から復帰のジェイク・エヴァンスが起用されることに。

LINES & PAIRINGS

FW
90タタル 14スズキ 11ギャラガー
92ドゥルーアン 15コトカニエミ 40アルミア
62レーコネン 24ダノー 41バイロン
60ベルジール 13ドミ 71エヴァンス
DF
8チアロット 6ウェバー
77クーラク 26ピートリー
61ウレット 53メテ 
G
31プライス

エヴァンス以外のメンバーは前回と同じです。前回の試合で数回試しましたが、FWマックス・ドミを状況に応じて2nd LINEのウィングに起用するプランも注目ポイントです。

POST-GAME

コーチ・ジュリエンの件で結束が強まったのか?は定かではありませんが、今日のカナディアンズは驚くほど素晴らしいスタートを切ります。前の試合で雑に序盤戦を戦ってしまった反省からか、このGAME2はとてもアグレッシブ。3rd LINEのダノーのフェイスオフから入ると、1st LINEの最初のオンアイスで早速先制。ここまで今年のポストシーズンゲーム、ポイント0だったトマシュ・タタルが決めます。

ここからHABSが怒涛の勢いでフライヤーズを圧倒します。20歳のセンター、イェスペリ・コトカニエミが押し込んで追加点。1ピリ残り7分余りですが、ここまでフィラデルフィアのシュートは0本。ゲームを掌握します。

唯一のピンチとも言える5on3のペナルティ・キリングを凌ぐと、あとはもうカナディアンズの独壇場でした。第2ピリオド早々にパワープレイからタタルがキレイに決めて3点目。ここまでポストシーズン4戦全勝のフライヤーズを圧倒すると、暫定HCカーク・マラーの判断で、2ピリの途中からマックス・ドミとヨエル・アルミアの配置を変更。うまくいくときはなんでもうまくいくものなのでしょう、4th LINEに入ったアルミアのパスが相手DFのスケートに当たって4点目を奪取。ベルジールにアシストが記録され、これが彼にとってNHLでの初ポイントになりました。最後はコトカニエミ - ドゥルーアン - ドミのラインで5点目。コトカニエミはポストシーズン5試合で4ゴール。シーズン中にAHLへと落とされて苦しんだ選手とは思えない活躍ぶりです。

この得点には本拠地ベル・センターで会場アナウンサーを務めているミシェル・ラクロワさんもご満悦のご様子。リモートではありますが、ゴールアナウンスをやってくれています。

カンファレンス第1シードでここまで無敗だったフィラデルフィアを圧倒、この勝利はHABSファンからしても想定外でした。ペンギンズ戦でもそうでしたが、「圧倒的不利だが、GKプライスが大当たりすれば勝つチャンスあり?」という下馬評でした。カンファレンス12位からギリギリでポストシーズンに進出したチームですし、当然前評判は高くありませんでしたが、この1戦で評価は少し変わるかもしれません。チームで掴んだ素晴らしい勝利でした。

以下、試合後のコメントです。

HCジュリエンと暫定HCマラーについて問われたFWジョナサン・ドゥルーアン:「当然ながら、2人のために絶対に勝ちたい試合だった。試合前のベンチはすごくエネルギーに満ち溢れていたよ。1点ずつ着実に積み上げていくことができた。みんなのスケーティング、パックハンドリング、どれも印象的だった。私たちが経験した最高のゲームのうちの1つだ。」
試合途中からドゥルーアンと同じラインでプレイし、3アシストを挙げたFWマックス・ドミ:「特に秘密があるわけではない。ジョー(ドゥルーアン)と私は、氷上でも、リンクから離れても、いつも多くの時間を一緒に過ごしているからね。よく一緒に遊んでいるし。今日の試合は彼と同じラインでプレイできてとても楽しかった。KK(コトカニエミ)は素晴らしかったね。4つのラインがしっかり機能すれば、相手にとってタフなチームになれる。今夜はそれが出来たと思う。」
ここまでポストシーズンのポイントがなかったが、この試合で2得点のFWトマシュ・タタル:「これまでのゲームでもチャンスはあったけれど、パックのバウンスがおかしかったりで、どこか運に見放されていたように感じていた。結果が出ていないから、どんどん神経質になってしまっていた。今日はしっかりネットにパックを送り込めたね。チームとして最初から良いプレーができていたし、チーム全体の努力で勝利を掴んだと思う。結局のところ、誰が得点するかはあまり関係ないよ。自分たちがどうプレーするかがすべてであり、そういう意味では今夜の試合は本当に満足できる内容だった。」
暫定ヘッドコーチのカーク・マラー:「試合後に携帯電話をチェックしたところ、HCクロード・ジュリエンから祝福メッセージが届いていたよ。この勝利はクロードと彼の家族のために捧げたいと思う。KKについては称賛を惜しまない。下のリーグに自ら行きたいと言う選手はいないからね。でも彼はそれ(シーズン途中でのAHLへの降格)を受け入れ、そこから成長し、一回り大きくなって戻ってきた。このNHLというリーグはレベルが高く、若い選手は日頃から学び続けなければいけない。でも今のKKは、彼がこのリーグに見合う選手であることを自ら証明している。このトロントに来てから、このチームに本当に大きなインパクトを残してくれているね。」

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