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フレームの中と外の世界/今日写講Vol.17

うるう年の今年。2月29日の宮古島。

天気に恵まれたこの日、後輩の結婚式の撮影。結婚式が始まるまでの時間にはじめて南の島の海を写真に残しました。

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白い砂浜。エメラルドグリーンの海。

日本海ばかりを見てきた僕は、その色の違いに圧倒されていました。

本当の姿

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実はこの日は海開き前。

フレームの外側は砂浜の補強工事真っ最中。

カラーコーンに反対側には重機。

よくよく砂浜を見てみるとキャタピラ痕


フレームの外には、海開き前の現実があったのです。

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結婚式後の夕方、同じ砂浜を桟橋からみてみると、工事中なのがよくわかります。


見せない自由

撮影をするときに、撮りたいもの、見たいものを撮りましょうという話がほとんどですが、

逆に言うと、

見たくないもの、

見せたくないもの

伝えたくない事

それらをフレームの外に外すことがカメラマンの一存で可能です。


取捨択一

目の前に広がる多くの事実をフレームの中にどう入れ込むか、外すかが写真を撮る上での重要事項です。

これを、本能的に、自分の目で起きていることをそのまま撮影する練習方法があります。

標準単焦点レンズで撮影する。

これだけです。

デジタルカメラの場合、センサーサイズが色々あるので何ミリのレンズが標準かはそれぞれで探して欲しいのですが、フルサイズのカメラであれば概ね50mmの単焦点レンズ。

梅佳代的な撮影方法。

梅佳代さんは専門時代の1年後輩でギャラリーをやってたときに最初の方に展覧会をしてもらいました。
https://auracross.net/Until2014/2004-2006/phase01.html#20040607


フレームの外には見ていない現実がある

50mm単焦点で撮影をするときは、自分の意識の中で認識している目の前が写真になります。

ただ、その意識の外にも時間が流れ、事象が起きている。

自分の意識する世界の外にも、自分が意識する世界を形づくる時間や事象が影響を及ぼしている。

その時間や事象をフレームに入れ込むか、表現しないかは自由


作品を見る側になったとき

写真を見る時、僕はフレームの内側も見ますが、外側の方に意識を飛ばしてみたりします。

詳しくは「写真集でも読みませんか」に書いています。

外出制限の中、写真が趣味の方にはぜひオススメしたい時間の使い方です。


刹那から変わる事

フレームの外側にある世界が現実におきていることの限りなく100%に近い状況で、フレームの内側にあることは限りなく0%に近い刹那の事象にすぎません。

この刹那の事象をどの様に伝えるかによって世界を変えるキッカケになっていきます。

その時に善意の元に表現される一瞬である写真を増やしていくことが大切だと思っています。


悪意ではなく、善意で。

そして親切である写真

幸せをつくっていく写真で満たされる世界を願って

写真と向き合います。


世界が変わってしまうような、大変な時期だからこそ

しっかりと写真との向き合い方、事実との向き合い方、切り取られた情報との向き合い方、一つ一つしっかりと考え続けようと思います。


最後までお読み頂きありがとうございました。

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