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【汚れ仕事とは】 大河ドラマ 「光る君へ」 第16回

汚れしごとは、俺の役目だ

道兼の哀れさに不覚にも涙腺が緩みそうになった回でした。道長の一言で父の呪いから解き放たれ、生き直そうとしている道兼。内大臣の言動を真っ当な諌め方をしているのに、それを「叔父上は何か良いことを成したのでしょうか」と、過去をほじくり返されて反論されてしまいます。

更生しようとしているのに、過去の罪をまたあげつらわれてしまうことは、今の社会にもあるのです。何らかの罪を犯し、刑期を終えてやり直そうと思う元受刑者に対し、果たして今の社会は寛容なのか。彼らに対する「犯罪者」というレッテルや色眼鏡は、どこまで引きずられてしまうのか。

疫神が通るぞ

民を疎かにし、徳による政を怠ったから、疫病で国が滅びる。このタイミングでこんなセリフを言われたら、そりゃ視聴者はコロナを思います。コロナ禍の各国政府の対策のどれが成功でどれが失策だったのかは、後世の歴史家が判断することではありますが。

香炉峰の雪は、如何であろうか

「枕草子」の中の有名なエピソードらしいのですが、私は知りませんでした。ああ、教養の無さ。白楽天アゲインもあって… 漢詩の知識の足らなさを再確認です。

雪できゃっきゃと無邪気に遊ぶお上と定子様の仲睦まじさは微笑ましいものの、猛威を振るう疫病によって地獄絵図となっている市内との対比が凄まじい。

その最中の悲田院で、まひろと道長が運命の再会を果たします。王道少女漫画的展開やん。

ここでも、民の言葉が朝廷に届いていないことを知る道長と道兼ですが、腐敗した政権をどのように正すことができるのか。腕の見せ所となるでしょう。その中で、道兼がどこまで汚れ仕事を引き受けて死んでいくのか。

小納言は地位を確立し、道長も己の進む道をどうにか切り拓こうとし、前回弟までもがどうにか進む道を見出そうとしている姿を見たまひろは、ここからどうやって自分が「生を受けた意味」を見出していくのか。

毎回、盛りだくさんだなあ…

明日も良い日に。



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