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【会いたいとは】 舞台「ともだちが来た」

お前が来てくれて嬉しいよ

会って、なんちゃーない会話をする。麦茶を飲む。一緒に頑張った部活の話をする。

それだけのこと。30年くらい前のこと。きっと忘れてしまうこと。でも、ふとした瞬間に、思い出すこと。例えば、畳の上をアリが這っていたり、庭の柿の木に、思いがけず実がなっていたりした時に。

なんでもない光景ばかりなのに、もう戻らない。

思いだしている間は、相手は死なない。先週のライブでも、そんな話が出た。そう、覚えている限り、きっと相手は死なない。いい加減、あっちの世界に行かせてよ、って辟易とした様子で言われるまで、あっちの世界に行って欲しくない。

2週間くらい前に、祖母が夢に出てきた。正確には、祖母の家の縁側だ。そこに、梅の木の盆栽と、祖母の遺影が置いてあった。とても晴れた秋の日だった。その盆栽の枝に、いきなり、鳩の大群がわらわらと飛んできて、とまった。昭和の「ロート」のCMみたいに。今から思うと怖い光景なんだけど、夢の中では、すんごい綺麗で可愛くて、笑い出してしまった。ほどなくして、鳩はみんな、飛んでいってしまった。

理屈ではなく、思った。もう祖母は、本当にいないんだ。

今年も、お盆には帰れない。

8月は、山の飛行機のこととか、戦争のこととか、色々と情緒不安定になりがちな要素が多い。

ただ、生きていてくれるだけで、嬉しい。

そう思える人がいるだけで、嬉しい。

戯曲を読んでる時は、こんな風に思わなかった。読んでた時は、夏じゃなかったからだ。夏は、精神を病む季節なのだ。私的には。

明日も良い日に。

https://stage.corich.jp/stage/268748


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