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【武衛の駒とは】 大河ドラマ 「鎌倉殿の13人」 第15話

御家人なんて、使い捨ての駒だ

上総介の屍を最大限に利用して、鎌倉殿が足固めをするの回でした。

あんな見せしめを目の当たりにしたら、そりゃあみんな、ひれ伏すしかなくなります。それが本当の忠義でないことなど、百も承知の頼朝は、これからも謀略の限りを尽くしていく。

使われると頼りにされているは違います

この2つを見極めるのは難しい。出会った時からずっと、「お前だけが頼りなのだ」を1人ずつにこっそりと伝えていた頼朝だから、尚更だ。

腹芸は京では至極当たり前だけれど、坂東武者にそれを看破するのは難しそう。

疑いを晴らせ

梶原景時の立ち位置も、今回はっきりと見せてきた。まだまだ頼朝勢の中で途中参加の景時は、なんとしてでも自分の立場を守らなければならない。冷徹で謀が得意で、相手を陥れることなど屁でもない、という本作以前の景時の印象とはやや異なる。

彼には彼の「義」があるし、どこか精神的な清潔さも備えている。だからこそ、冷ややかな計算と温かな人情の合間で苦悩する。どうしようもなくなって、運を双六に尋ねたのだ。そして、双六の「駒」を斬る賽を振ったのは、景時だった。

「女城主直虎」の政次の最期を思い出した。史実は変えていないのだけれど、これまでとは違う要石を1つぽんと置くだけで、今までとは違う光景が浮かび上がる。

この事件は、後々まで尾を引くだろう。様々な形で。それも、政次の最期と通じる。

それにしても、顔色ひとつ変えずに、人の命の采配が出来る大江広元が恐ろしい。彼に比べたら善児なんて可愛いものだ。そしてこういう人は、きっと最後まで生き残るんだ... 

唯一のコメディリリーフは、和田義盛の「おじさん本当はこーんなに優しいんだよー」。

白々しすぎて失笑にしかならなかったし、そこに義高がいるから完全に肩から力を抜くことは出来なかったけれど、それでもなお、義盛がいてくれて良かったと思った瞬間でした。

あとは...

冒頭の時政が八重ちゃんにさらっと「北条の後継を産んでもらわねばな」と言うのを、ものすごーく微妙な顔で聞いていたりく。義時といい、時政といい、親子揃って地雷を踏むのがお上手すぎる。

あー、まだ15回だよ。1/3しか終わってないのに、ドロドロばかりになるのは早すぎない?と戦々恐々とした回でした。

くーー。

明日も良い日に。


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