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【嬉しいところとは】 たらふく酒を飲んでも山頭火にはなれないのだから

今年の前半戦の疲れが抜けない。

自分で自分の面倒を見られることが大人の証なら、今こそ大人である時だ。

そうだ、温泉行こう。ちょうど福岡へ行く用事がある。前乗りして、温泉へ行こう。福岡空港からバスで一本で行けるところがいい。行ったことのないところがいい。

そんな条件でヒットしたのが嬉野温泉だった。後から気づいたが、佐賀県だった。まあいい。何しろ名前がいい。ホクホクと予約を入れた。

福岡空港からは、長距離バスで1時間半。新幹線で行くこともできるのだけれど、バスの方がドライブになる。新幹線だと、景色を愛でるにはスピードが早すぎるのだ。車よりも車高の高いバスからの景色を、私は割と気に入っている。

緑深い
橋の袂から温泉気分

そんな嬉野温泉を愛していた俳人がいる。山頭火だ。


一月卅一日(昭和7年1月31日)
 曇、歩行四里、嬉野温泉、朝日屋(三〇・中)
一気にこゝまで来た、行乞三時間。
宿は新湯の傍、なか/\よい、よいだけ客が多いのでうるさい。
飲んだ、たらふく飲んだ、造酒屋が二軒ある、どちらの酒もよろしい、酒銘「一人娘」「虎の児」。

行乞記


山頭火が触れていた「虎之児」の井出酒造は温泉街真ん中辺りに
いい感じ
「嬉野は嬉しいところです♪」

嬉野はうれしいところです、湯どころ茶どころ、孤独な旅人が草鞋をぬぐによいところです。私も出来ることなら、こんなところに落ちつきたいと思います、云々。何物にも囚われないで悠々と手足を伸ばした気分。

そう!それがしたかったの!!!

宿の写真を忘れたけれど、とても素敵なお宿だった。お食事の抜粋写真のみ置いておく。

鮎の梅煮。美味しかった… 佐賀のお酒と共に
ブランチで頂いたとうもろこしのパンケーキ


豊玉姫神社

休みすぎた、だらけた、一句も生れない。
ぐつすり寝た、アルコールと入浴とのおかげで、しかし、もつと、もつと、しつかりしなければなマヽい。

行乞記


お茶おいしい。お食事美味しい。お酒も美味しい。佐賀、めちゃめちゃいい。

一句も生むつもりはなかったけれど、アルコールと入浴は存分に楽しみ、合間に課題図書を2冊読了して散歩した。久しぶりにぐっすり寝た。

また行こう。

明日も良い日に。







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