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【鬼とは】 大河ドラマ 「鎌倉殿の13人」 第17話

我らはもう、かつての我らではないのです。

義時のターニングポイント回でした。

義時や安達など、純粋に義高を助けたい人々はいるのだけれど、そんな自分の思いとは裏腹に、もう自分は見る人が見れば「信じてはもらえない側」にどっぷりと浸かってしまっているのだ。

人の世を治めるには、鬼にならねばならぬ。奴にはそれを分かってもらう。

鎌倉殿と自分はもはや同等に「信用に値しない」のだ。よってもう鎌倉以外、自分のいる場所はない。そう肚を括るようなラストでした。

同時に、三郎お兄ちゃんが備えていた北条の「優しさ」も霧散した。お父ちゃんはもう少し前から気付いていたようだったけど。

一刻も早く私の首を取ることをおすすめ致します。

この時に首を取っていれば、巻き添えも少なくて済んだのに。

巴が渡した義仲の手紙で、義高は「生きる」ことを決意したのに、それが仇となってあちこちに飛び火する展開が辛すぎます。

しかも、義時らが伊豆山権現に逃がそうとしなければ、大姫の嘆願が通った結果、義高は出家で済んだのに。

そうしたら、頼朝も血塗られた道を進まねばならないと自らを追い込むこともなかったかも知れないのに。

誓書をクシャリと握り潰した手には、「やはり儂は、この修羅の道を進むしか無いのか...」という声にならない悲鳴のようなものを感じました。

「義高を討て」と冷静に命じるのが頼朝の中のオーベルシュタインなら、それを受け入れ、血濡れた手を見つめながら前に進むのが彼の中にいるラインハルト。(先々週から色々混じりっぱなし)

その義高の首をあげた藤内光澄に、ルンタルンタとまるでピクニックかの如くに凱旋させる演出えぐい。ついでのその人処刑させちゃうの、史実だけどえぐい。

首なし死体をそのまま放置の図、大河で初めて見せたんじゃなかろうか。近年、首桶はワンサカ出るようになったけど、まさかの首無し放置死体... 

歴史はそうやって作られていくんだ

鵯越の方が響きがいい。馬に乗って駆け降りた方が聞こえがいい。

政子が怒って藤内を処刑させたというのも、深い意味で言ったのではない「許さない」という言葉が一人歩きして作り上げられた歴史かも知れない。

鎌倉は怖いところです

先週も先々週も、ドロドロ展開の中での清涼剤は、和田義盛でありました。

強い敵を捕まえたって誰のことかと思えば巴御前!

家人にしたいとラブコールを送る和田が今の世に転生してくれたら、職場のジェンダー問題解決するんじゃなかろうか、と少し現実逃避ができました。

そこで気を緩ませといてからの鬼展開ではありましたが。

ええっと... 来週壇ノ浦でしたっけ... 

まだまだどんより展開は続くんだよねえ... orz

明日も良い日に。



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