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【民主主義とは】銀河英雄伝説 Die Neue These 4th season 「策謀」 第三部

人民が力を持つことがいかに尊いか、が克明に描かれた回でした… 専制政治国家によって。嗚呼、ねじれ現象これに極まれり。

自分の治世は、門閥貴族の時代とは異なることを、どんどん証明していくラインハルト。昔ながらの門閥貴族の象徴である、幼帝の亡命を受け入れた段階で、自由惑星同盟は、自らの死刑宣告書類に自らサインしたことになる。

悪しき専制国家の代表たる者を守ろうとする民主国家は、ようやく自由を手に入れた帝国臣民の敵となる。

今まで虐げられていた帝国臣民は、手に入れた「自由」や「平等」、即ち「基本的人権」に繋がる諸権利を自らの手で守るため、皇帝を支持し、戦いに挑む。

生死を、権利を、自由を「選択することができる」というのは、民主主義の根幹なのに、それを初めて与えてくれた専制主義を支持して、民主主義を曰う自由惑星同盟の制圧に加わる。

書けば書くほど捻れてくるけれど、この辺りの細やかな描写がノイエの強みだと思う。

小説も石黒版のアニメも、軍人将校たちの群像劇だったけれど、ノイエは更に、市井の人々にも光を当てる。

例えば、経済と政治が安定しているからこそ市民には余裕が生まれることが、フェザーンの女の子たちがユリアンに送る秋波によって浮き彫りにされる。その直前にユリアンが目撃した同盟首都ハイネセンの状態と比較すると、どちらの国が衰退へ向かっているのかは一目瞭然。映像なればこその力。

そしてやはり、ノイエならではの、迫力のある戦闘シーン!今回は、イゼルローン要塞vsロイエンタール軍隊!

トゥールハンマーの封じ込めなんて、石黒版には無かったはず。これまでに描かれた艦隊戦も含め、ノイエの戦闘は、戦術レベルまで刷新されていて、宇宙戦争シーンの全てに見応えがある。

そして、出ました!ローゼンリッターの白兵戦用スーツ!これ見よがしに戦う姿に、「鎌倉殿」で言うところの八田さんや義村さんの筋肉祭りを思い出す(違)

ロイエンタールとシェーンコップの一騎討ちも、完全刷新されていて、うぉぉぉと声が出ました。え、何これ、艦橋で戦ってるー!しかもフェンシングのような美しい戦い!あああ、推しが、推しが美しく舞っている… 

ユリシーズの艦長、ニルソンが不機嫌だった理由を、ユリアンへの片想いが破れたから等、部下が散々な噂をしている小話がしっかり盛り込まれているのも面白かった。そうか、ニルソンはユリなのか。#ユリアンだけに #やめれ

将校たちが戦況について色々と頭を抱える中(親知らず痛も含めて)、配下の者たちはいつ何時でも、日常をいろんな形で冗談にしてしまうものなのです。これは、どんな組織でも同じこと。

そして、最後の最後、ルビンスキーvs ケッセルリンクのシーンで今作最大の遊びが登場!!!!

光学迷彩ーーー!!!!!!!

さすがIG。他の制作会社だったら、使えない… よね?少なくとも、許可を取らなきゃならなくなるよね?!?! なるよねー?!

大爆笑してる間に、ケッセルリンクはご臨終。ごめん、今際の際に何か言ってた気がするけど、聞いてなかった。すごくごめん。

そして、小さいことだけど、ようやく手に入れた同盟領の星図の中、ホログラムで浮かぶハイネセンに向かって歩くラインハルトの脇に、ランテマリオがちらっと見えたのも感慨深かった。こういうところ、本当にお仕事が細やか。泣いちゃう。

そして最後。うん、4期の締めが「ジークカイザー」。美しい。

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んで、次はいつだっけ?作るよね?作ってね。お願いします。

明日も良い日に。

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