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【義とは】 大河ドラマ 「鎌倉殿の13人」 第14話

もはや再びお会いすることもないでしょう

劇中では義高が義経について語った言葉だけれど、四方八方に通じるセリフで、心のざわざわが止まらない。

戦から戻ったら語り尽くそうぞ

こう声がけて義経を見送った頼朝だけれど、この2人はもう今生では相見えることは無い。って、鎌倉に残った全員、義経とはもう2度と会うことはない。強いていうなら梶原景時が「会う」くらい?描き方によっては割愛されるかも知れないけれど。

義経が向かった京では、義仲の真っ直ぐな「田舎武者」っぷりがことごとく裏目に出てしまっている。

腹の探り合いならウルトラモンスター級の後白河法皇相手では、義仲などひとたまりも無い。その蜘蛛の糸にあっという間に絡めとられてしまう。

せめて三種の神器くらいはお勉強しておこうよ、とハラハラしてしまったけれど、義仲にとって、「義」は「大義」よりも上なのだ。いのうえ歌舞伎「阿弖流爲」にもそんなセリフがあった。「儀式」的なものが絡むと、物事は途端にドロリと濁る。

義経だって、義仲よりは京の作法をわきまえているだろうが、京の雅を理解しているとは言い難い。京での駆け引きなどできようはずがない。鼻と口元をムホッとふくらましている場合ではないよ、九郎殿、あんたもうフラグ立ちすぎとるんやよ...

義仲的生涯ハイライトの倶利伽羅峠の戦いがスルーされてしまった今、木曽勢は、後白河法皇に翻弄され続けたまま、あっと言う間に退場しそう。

三谷さんは、合戦シーンではなく、腹の探り合いや、言葉による陰謀の紡ぎ合いをとことんまでフィーチャーするつもりなのだろう。だとしたら、壇ノ浦もあっと言う間に終わるのかしら。

一方の冠者殿。彼を生かしておいては、反頼朝勢が彼をトップに据え、本格的に反旗を翻す口実をみすみす作ってしまうこととなる。そうか、そんな理由もあって、義高は生かしておくわけにはいかないのか。人質だという理由だけで殺されるはずがない。おおお、人間、怖い。

そこに絡めて、梶原景時のダブルエージェントぶりもしっかり描かれていく。こんな人、身近にいたら怖くてたまらん。よう寝られん。

そしてとうとう... 上総介退場フラグ。何度も言うが、本作では良い人として描かれた人から退場していくのだ。いや史実なんだけど。

そう言えば双六もすでに何度か出ていたっけな。辛い。辛いなあ...

ほぼほぼコミックリリーフの瞬間の無い、シリアス一辺倒な回でした。

ええっと... まだもう少しは、コミカルあるよね?誰かあるって言って。そうしないと、毎週日曜日を1人で迎えるのが辛すぎる。

明日も良い日に。

アイキャッチは、先日、「神州無頼街」を観劇した富士市の駅の壁画。富士川の戦いが随分と昔に思えますわ...

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