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6年前からリモートOKな会社だからこそ分かる、オフィスの必要性

2020年は、日本でリモートワークが一気に進んだ1年になりました。コロナ渦がややおさまってきた中で海辺でワーケーションしたり、多少アクセスが不便でも緑の多いところに引っ越した人なんかもいると思います。

Whateverでも、そんなリモートワークが充実したものになるよう、オンライン会議でカメラに映る部分だけフォーマルなシャツになったパジャマ「WFH Jammies」や、zoomの画面越しだと伝わりづらい気持ちを伝える背景絵文字「zoomoji」を出したりもしました。

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僕も、出社するのは週2回くらい。そもそも出社義務はなく、海外との仕事が多い多様な働き方のWhateverでは、リモートで仕事をする環境が整っていました。国内のクライアントさんや、社内の打ち合わせもオンラインミーティングに切り替わったことで、さらにそれが加速したという感じです。


オフィスを縮小する企業も増えています。中には、オフィス不要説まで出てきています。


「なんだ、オフィスって、本当は必要なかったんだ。」


たしかに、必要のない時代になっていると思います。少なくとも、ペーパーレスが進み、セキュリティレベルが上がり、仕事のアウトプットもほとんどがデータになりつつあるクリエイティブ業界では、オフィスは必要不可欠なものではなくなりました。


でも。


そんな時代だからこそ僕は、オフィス、というよりはむしろ、「人が有機的に集まる場」がとっても大事になってくると思っています。

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その思いから去年、渋谷、恵比寿、代官山から六本木まで広範囲に探した結果、良い物件を見つけ、フルリノベーションして、Creative Commune「WHEREVER」というビルをつくりました。

つくったのはコロナ前ですが、このビルを借りたことはコロナ中も全く後悔しませんでしたし、今もその思想は変わっていません。


今日は、なぜ僕が「場」を大事にするのかということを、この「WHEREVER」の設計思想と絡めながらお話します。読んでいただいたあなたにとって、これからの「働く場」における何かしらのヒントになったら嬉しいです。


クリエイターがそれぞれ一番クリエイティビティを発揮できる働き方を選んでほしい

こんな言葉、いろんな人が言っていることだと思うのですが、僕は誰よりもこのことに真っ向から向き合って、世の中一般の「会社制度」に縛られない方法を考え続けている自信があります。

その理由は単純明快で、僕が本当に優秀なクリエイターたちと仕事がしたいから。

そのために、前身dot by dot時代からの5年前から試行錯誤しながらアップデートしてきているのが、正社員採用と業務委託のハイブリット型である、「Co-creator 制度」。

簡単に言うと、クリエイターは一緒に仕事もしながら、個人名義での仕事も含め、マネジメントや経理など、めんどくさい部分を任せられてしまうという、“いいとこどり”な制度です。

・一緒のオフィスで働く ※フルフレックス、用事のあるときに来る感じ
・常に社内の情報共有がなされ、興味のある案件にプロジェクト単位で参加
・個人名義のプロジェクトは、必要に応じて、Whateverがマネジメント
 ※スケジューリング、ギャラ交渉、契約関係の代行、進行管理、PR業務など
・必要があれば、法務、経理関係の代行


会社が拡大していていくと、社員・クリエイターに対して、勤怠管理や日報を書いてもらうなど、細かく工数管理をすることになってしまいます。そうすると時間かけていいもの作りたいのに、一日の労働時間が決まっている残業=コストになってしまう。

それに、優秀なクリエイターが、クリエイティブじゃない作業に時間をとられているのが、本当にもったいない。社員であれ、業務委託のクリエイターであれ、とにかくいいものを作り続けてほしいと思うんです。

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「Co-creator 制度」では、案件ごとに歩合制なのか、リテーナーで毎月お支払いなのか、プロジェクト単位なのか、とか、それぞれのスタイルや本当にやりたいことを軸に、話し合って決めています。

たとえば、Co-creator として参画してくれている、ながしまみのりさんは、アーティストとして音楽活動をしながら、展示などの体験を作り続けることも望んでいました。そこで、日常的にはWhateverでTechnicalDirectorやMusicComposerとしてコミッションワークに携わりながら、本来自分が続けたい尖ったアーティスト作品をつくり続けています。

そうやって、クリエイターが、自分のやりたいことと仕事のバランスを保てるようになったらいいなと思っているんです。


人が人を呼ぶ、有機的な場所


そのために、優秀なクリエイターが集まり、クリエイター同士が、集まってなにか新しいプロジェクトを始めたり、ふっと仕事を協力し合ったり、そんな有機的な場所が必要だなと思ったんです。

それで、6年前、東京ピストル(現BAKERU)と一緒につくったのが、渋谷の「HOLSTER」という場所でした。平常時はコワーキングスペースで、時にギャラリーやイベントスペースに。

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今だから言える話ですが、最初人が全然集まらなくて、めちゃくちゃ焦りました。渋谷の古いビルでそんなに綺麗でもないし、当時コワーキングなんていう概念もそれほど浸透していなかったから。それでも、最初から最後まで突き通したのは、きちんと優秀なクリエイターだけを選抜するということ。

そうすることで、もちろん自分たちの首を絞めることにもなりましたが、HOLSTERに集まる人が、本当に面白くて良い意味でヤバい人ばかりになったんです。そうするとまた人が人を呼び、いい人が集まってくる場になりました。

結果的に、そこで集まった人同士が映画を作っていたり、アイドルグループをプロデュースしたり、グッズブランドを立ち上げていたりと、人が集まることで自然と仕事が生まれ、クリエイターが楽しく仕事をする場所が生まれていたのです。

去年その渋谷のビルが取り壊しということで引っ越しをしなければならず、探しに探して見つけたのが、六本木の1棟ビル。

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六本木通りの喧騒を抜け、国立新美術館、21_21 Design Sightなどが並ぶ、カルチャー溢れるエリア。そこに、もともとジュエリーの会社が使っていた、建築家・竹山聖による名建築ビルが1棟丸々あいているらしいと。そんな噂を聞きつけ、初めて内見に行った日、屋上で僕の心は決まっていました。このビルを、コワーキングビルとして、いろんなクリエイターが出入りする場所にしよう。

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そこから、東北新社さんにお声がけをして設立した共同出資の新会社WTFCとの共同運営として、企画・設計が進んでいきました。(WTFCについては次回で詳しくご紹介します)

僕は、この場所を、単なる「コワーキングオフィス」ではなく、「クリエイター同士が繋がり高めあえる共同体」と捉え、"Creative Commune 「WHEREVER」"と名付けました。

https://wtfc.jp/wherever/

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場所は、外苑東通りに面し千代田線乃木坂駅から徒歩1分の好立地。
1階は、一般の方にひらいた、未来のスタンダードを販売する「New Stand Tokyo」に。2〜7階は、社員やCo-creatorなどいろいろな関係性のレイヤーで働くクリエイターたちのための場。8階は、みんなでバーベキューをしたり、イベントをしたりする最高の屋上です。(もう少し落ち着いたらまたやります!)

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<WHEREVERの構造>
8F ルーフトップ
7F Whatever
6F ファブスペース(BASSDRUM)
5F コワーキングスペース
4F 会議室
3F WTFC
2F キッチン・コミュニティスペース
1F New Stand Tokyo (このお店についても後日詳しくご紹介します!)

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<WHEREVERに入るといいこと3つ>
詳しくはサイトで見ていただくとして、僕の個人的イチオシポイントを紹介します。

1まわりに美術館やアートギャラリーも多く、クリエイティブなエリア。1FのNew Stand Tokyoは、ギャラリースペースにもなり、個展などで作品を発表することも可能。

2入居者同士のシナジーを生み出せるメンバーを集めるため、ポートフォリオチェックと面接を通して、入居者を厳正に審査している。

3そのため、Whatever関連の仕事に限らず、中の人同士が一緒に仕事をするような、小さな経済圏になっている。

空間を共有することは、波を共有すること

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直接会うということはやっぱりオンライン会議よりもなんとなく嬉しいし、ときどき同じ空間にいるというだけでより仲間という気持ちになる。


「場所を共有する」ということは、「自分の人生の一部を共有する」ことになるわけで、そこから生まれるものが確実にある。癖がうつったり、仕草が似てきたり。わざわざオンラインでは言わないような世間話や褒め言葉が積み重なって、より気持ちを共有することにもつながる。

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最近は、せっかくオフィスにいるなら、みんなでいる時間を大切にしようという雰囲気があります。一緒にお茶淹れて飲んだり、2階のキッチンで誰かがご飯作ってみんなで食べてたり。この前は「今日は夜ご飯だけ食べにオフィスに行きます」なんていう社員もいて、普通の会社だったらふざけてると思われるだろうけど、むしろ僕はそれで全然いいと思ってます。


行かなくちゃいけない理由はない。でも、行ったら楽しいと思える人に会える。
会社にとって必要不可欠ではない。でも、あった方が楽しく仕事ができる人が増える。


オフィスはこれから、そんな場所でなければならないと、僕は思います。


だからこそ、自分たちが心地の良い、フラットな場所を大切にしながら、中の人同士が一緒に仕事をするような 「Creative Commune」 をつくり、それが小さな経済圏になっていくことを目指して、これからも「WHEREVER」は、いろんなコトを仕掛けたり、進化しつづけていきます。

まずは、ぜひ一度、気軽に遊びに来てください!

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