いつかおばあちゃんになるあなたへ…婆ちゃんの口に戸は立てられぬ?

デイサービスのフロアでは4〜8人程度のグループで、一つのテーブルを囲むように着席いただいています。

女性はとにかく、良きにつけ悪しきにつけ人の噂話が好きなんですね。三つ子の魂百まで。何歳になっても女です。

お隣の方と話すにも耳が遠かったり声の調整がきかなかったり、認知症で対人関係やモラルに無頓着になっていたりするので、割と大きな声で近くにいる人の噂話をしてしまうこともあります。


もちろんスタッフが間に入って話題をそらしたりして、雰囲気が悪くならないようにしなくてはいけません。

ところがどっこい…説明しても理解が難しいことがあるのが認知症。


普段はおとなしい和子さん。80代で、色白で品がある感じの方です。腰がほぼ90度お辞儀をするように曲がっていますが、見守り付きで杖歩行なさいます。

認知症も進行しており、数分前のことは記憶にありません。

楚々として無口な和子さんですが、介護する娘さん曰く「お母さんが家の中で一番ひょうきんで面白い」とのこと。


へえー、人って見かけに寄らないのね。あまりお話しない方なんだけど…


ある日のお茶の時間。同じテーブルを囲む中で、また噂話の火が灯ります。


Aさん「(Bさんに向かって)ねえ、ちょっと見て、あのおばあさん!」

和子さん「(ボソッと)あのおばあさんっていうけど、このテーブル全員おばあさんじゃないの」

一同爆笑*\(^o^)/*


認知症で言っている意味が分からない、またはそれ以前に何故皆が笑っているか分からない方も一緒に笑います。こういう連鎖って楽しくて素敵。


…そうこうしているうちにお茶が入って、三時のおやつの時間がやって来たようです。

和子さんの毒舌?毒ってほどでもないけど、無口でオシャレな和子さんが時々ボソッと言う粋な冗談だから面白い。

テーブルは険悪な雰囲気を免れお茶菓子も配られて楽しいティーブレイク。

笑いは人類を救う!よね?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?