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ハイパフォーマー思考|私のイチオシ本

コロナ禍を過ぎ、どんどんビジネスのあり方が変化している気がしてる。
AIの登場、オンラインの一般化、組織のあり方、プロジェクトのススメ型。

これまでの旧日本的な会社システムはすぐにはなくならないとしても、やはり時代に合わせてアップデートしていく必要はあるのだと感じる。

そんな中、手に取った一冊の本。

「ハイパフォーマー思考」がとても良かったので、今回はこちらをご紹介したいと思う。

この本の特徴は、あらゆる企業の「ハイパフォーマー」つまりは「仕事ができる人」に深堀りインタビューを行い、ハイパフォーマーの思考や行動様式、特徴を抽出。「仕事が出来る」とはどういうことか?し、可能な限り一般に落とし込めるよう言語化、体系化したものをわかりやすく紹介しているという点。

もちろん、企業や職業によって必要な知識やスキルは異なるのが当然。
ただ、その根っことなる思考や行動様式には共通点がある!というのが本質的で面白かった。

本著では、その要素を7つに分類して解説してくれている。

詳細な解説については、本著を読んでいただくとして、個人的に気になった要素をいくつか紹介してみたい。

ポジティブであることの重要性

仕事が出来る人は、総じてポジティブな思考をベースに持っている。
これはなんとなくわかる気がするけど、実際に言語化し、解説してもらうととても納得感があった。

基本的に、人は「できない理由」を挙げ連ねるのが得意だ。
だって、リスクがないから。

そして、「できる理由」はどれだけ挙げ連ねたところで、実践して成果を出すことでしか実証できない。
明らかにリスクしかない。

でも、ハイパフォーマーと呼ばれる人たちはみんな「やってみる」を大切にしている。

見切り発車というと聞こえは悪いけど、それくらいの勢いで突っ走らないと、高いパフォーマンスは出せないし、当然だけど結果も出ないのだ。
そして、「やってみる」という思考の背景には、今の自分の能力ではなく、未来の自分の能力=今の自分の伸びしろを含んだ想定で飛び込んでいく特徴があると言う。

実際、いま目の前のできそうなことをこなすだけでは未来は変わらない。
大切なのは、未来の自分に期待して、とにかく飛び込んでみるというマインドなのだ。

意見の違いを楽しめる

自分の意見や企画が否定されたら、普通は誰だって悔しい。
いや、否定までいかなくても、疑問を呈されたり、質問されることすら嫌がる人が増えているという。

ただ、ハイパフォーマーたちはこうした「異見」を好んで取り入れるのだという。

批判、否定、疑問が出るということは、その企画やアイディアが完璧でないからであり、
そんな不完全なものが世に出る前に気がつけて良かった!と考える。

ハイパフォーマーな人は、チームに敢えてよそ者を参加させたり、素人に異見を求めたり、あえて自分とソリがあわないとわかっている人を参加させたりしている。
異なる考えが、自分のアイディアや企画をブラッシュアップすると知っているからだ。

これができない人は、社会や世の中の視点ではなく、あくまで自分の快・不快だけで仕事をしていることになる。
そりゃ、成果が小さくなるのは当たり前。

いろんな異見を受け入れ、しかし自分の考えもしっかり持ち、思考と思考を掛け算させてより良いものを生み出すことが、仕事での成果につながる。

野球型組織とバスケットボール型組織

組織そのものも、高いパフォーマンスを出すためには見直す必要のある形体だ。

もそもと日本企業は「野球型」の組織つくりが得意だった。
9人の選手がそれぞれに別の役割を担い、コーチが指導し、監督が全体の方向を指し示す。
選手一人ひとりの責任は分散され、小さな成果を積み上げることが全体の利益(野球でいうと勝利)に結びつく。

一方で、海外の組織は「バスケットボール型」なのだと言う。
監督(ヘッドコーチ)やコーチもいるが、試合中は攻守の入れ替わりが激しく、細かいところまでは口出しができない。
タイムアウトの数も限られるため、どうしてもコートに出ている5人の選手のパフォーマンスが成果(勝利)に直結する。

また、近年のバスケットボールにはボジションの区分が薄くなってきている。かつてはゴール下でしか仕事をしなかったビッグマンが外から3Pシュートを決めたり、コート上の司令塔としてパスを得意としていたPGに得点力が求められるなど、一人ひとりのこなす役割も増えてきている。

そして、日本のビジネスシステムも間違いなくここからどんどん「バスケットボール型」へと変遷していくのは間違いない。

Dotのビジネスシステム

余談になってしまうが、弊社Dotのビジネスシステムはこの「バスケットボール型」の当たる。
各プロジェクトに対して、それを得意とするクリエイターをアサインしつつ、現場主義で臨機応変に対応していくことを得意としているからだ。

例えば、ウェブサイトを作る。という相談から、目的をヒアリングするうちに、同じ予算であれば動画を作ったほうが効果的だと提案することもある。
この時、担当ディレクターはウェブデザインの知識を持ちつつも、動画制作のノウハウも持っている必要がある。でないと、最適な提案ができないからだ。

これはまさに、ゴールしたのビッグマンが外から3Pシュートを決めたり、司令塔のPGが自ら切り込んで得点をきめるような、マルチタスク型のプレイヤーだからこそできるスタイルだ。

かつて、高度経済成長の時代は同じことを同じレベルでこなせる量産型サラリーマンが優秀とされた。
時代はうつり、平成の終わりから令和にかけて、デザイン思考で企業に価値をもたらす、一人1芸のスペシャリストサラリーマンが重宝されるようになった。
いま、そこからさらに変化し、複数の分野で専門性を高めた、ハイパフォーマンス・ジェネラリストが必要とされる時代に変化しようとしている。

Dotのメンバーは、こうした時代の流れに即した人材を多く集めている。

写真を撮るスキルを持ちつつ、現場をディレクションできたり、デザインを組みながら、自らイラストを上げたり、企画から制作、納品まで一気通貫でプロジェクトを管理できたりといった感じだ。

気になる方は、ぜひ問い合わせてもらいたい。

後天的に習得できる技術

この著書によると、このハイパフォーマンス思考は後天的にも習得可能なものだという。
詳細は読んでもらうほうが速いと思うので、ここで細かく語ることはしないが、やはり生まれ持ってのハイパフォーマーはいないということだと思う。

それもそのはず。
新卒採用された時点で、誰もがその仕事の素人であり、新人なのだ。
そこからどうスキルを習得し、成果を出せる人間になるかはその人のマインド次第といえる。
そして、そのマインドチェンジはなにも新人でないとできないわけではない。

いつだって、人は変われる。
何歳からだって、自分のパフォーマンスは高めることが出来るのだ。

そのための思考やスキルは、ぜひこの本から学んでいただきたい。


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