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【自分は自分のままでいい】新刊図書『どんなイチゴも、みんなかわいい』

今月発売の新刊図書『どんなイチゴも、みんなかわいい』(葦原かも 作/中田いくみ 絵 )。
本作は、主人公の小学3年生の女の子・アヤのユーモラスな日常を描いた3つのお話です。
3つのお話は、全編を通すと1つの物語となり、読みごたえのある作品です。

第1話「いつもとちがう、とくべつな自分」

フクロウやミミズクが小さなころから大好きなアヤ。
クラスで行う発表会の劇に登場する、ミミズクの「ホーホー」役が気になっています。「ホーホー」のセリフもすぐにおぼえてしまいました。
「役の立候補なんて私のキャラじゃない」
そう思いながらも、アヤは衣装をきた自分の姿が思いうかびます。
「ホーホー」のセリフをつぶやきながら家へと帰る途中、アヤは道端に生えているジュズダマに実がなっているのをみつけます。
なにげなくその実を耳に入れると、なんと、とれなくなってしまいました!
翌日の体育の時間、アヤはとび箱をいきおいよくとべば、ジュズダマがとびだすかも? と思いつきます。
ふみ板を思い切りふみこむと、どうしてもとべなかった苦手なとび箱が、とべてしまいました。
ジュズダマの魔法でいつもとちがう自分になったような気持ちのアヤは、劇の役ぎめでも、思いがけず「ホーホー」の役に手をあげることができて……。

第2話「ヒヨコには、なれないけれど」は、創作ダンスでヒヨコではなくめんどりのダンスをやることになってしまった、アヤのお話。

第3話「イチゴはみんな、ちがうかたち」では、先生から「想像力がない」といわれたことをきっかけにアヤは童話を書きはじめます。

作品名にもなっている「どんなイチゴも、みんなかわいい」とは、第3話のエピソードから取られたものです。
どんなイチゴもかわいく思えるようになった自分が、ちょっぴりおとなに感じるアヤ。
そんな、日々の小さな発見や気づきを通して、自分は自分のままでいいのだと理解し、成長するアヤの姿が、3つのお話を通して描かれます。

作者は、講談社児童文学新人賞佳作を受賞しデビューされ、同人誌等でのキャリアも長い実力派作家の葦原かもさん。
絵は、人気イラストレーターの中田いくみさん。みずみずしくポップなイラストで、主人公アヤやクラスメイトたちが、いきいきと描かれています。

ぜひ中高生や大人の方にも読んでいただきたい作品です。

135ページ/小学3・4年生から
(葦原かも 作/中田いくみ 絵 )
https://www.doshinsha.co.jp/search/info.php?isbn=9784494020805

イチゴ柄のかわいい扉や見返し。装丁は長坂勇司さんです。

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