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こんなに頑張っているのに何でうまくいかないの?

今回は物語形式でいってみましょう。

数年前に美容コンサルタントの資格を取ったA子は、友人B美のことを眩しく見ていました。

B美は同じ美容コンサルタントの仕事をしています。B美は明るくて、社交的で、実生活でもSNSでも友だちがたくさんいます。彼女が話すことはいつも面白くて、誰もが聞き入ってしまいます。

「私もあんなふうになれたらなぁ」とA子は思っていました。

一方で、「でも、比較しちゃだめ。私はそもそも社交的な方じゃないし。私は私。私のやり方で頑張ればいいのよ」とも思っていました。

しかし、頑張っても頑張っても思うような結果が出ません。

悩んだA子はビジネス系、自己啓発系、いろんな本を読み、セミナーにも参加しました。

「私はこうしたいっていう結果にこだわりすぎなのかなぁ。とりあえず頑張っている自分を褒めてあげればそれでいいのかな」

そんなふうに過ごして数年。

A子は、資格を取った当初のやる気を少しずつなくしていきました。

資格を取ったらB美のようになれるって思っていたけど、違ったみたい…。

頑張っている自分を褒めてはいるけれど、なんだか虚しい…。

私は本当は何がやりたいんだろう?

何をやったら心から楽しめるのだろう?

美容コンサルタントの資格を撮る前と同じ状態に、A子は戻ってしまいました。

さて、どうしたらいいでしょう?

動作学のレンズを通して見てみましょう。

人と比べていいんです

まずA子は「B美のようになりたい」と思った自分の願望を「でも、比較しちゃだめ。私は私でいい」と押し留めることをしていました。

もちろん、「私は私でいい」のです。でも、同時に「変わりたい」という願望があるなら、それを良いとか悪いとかでジャッジせずに受け止めてあげることも同じくらい重要なのですね。

昨今では、「人と比較しなくていい」ということがとかく言われますが、比較はしていいんです。

なぜなら比較することで自分が見えるから。

極端な話、比較するものがなければ自分の立ち位置がどこかも、目指したいところがどこかも、見つけられません。

「人と比較しなくていい」ということの真意は、比較して優劣をつける必要はない、というだけ。

だから、誰かのようになりたいと感じたら、それはそのまんま認めてあげる。

それが、このマガジンでも何度かお伝えしている自己実現の鍵、「現状把握」と「ゴール設定」になるんです。

そして、「現状把握」と「ゴール設定」が、実際の現状、本当の望みとマッチしていないと、頑張っても頑張っても暗中模索が続いてしまうんです。

頑張るところを変えよう

その上で、頑張ってもうまくいかない時は、頑張るところを見直す時かもしれません。

多くの場合、見直すというと、やっていること(行動)を変えようとするのですが、頑張って行動はしているのにどうにも変わらない場合、見直したいのはあり方です。

というのも、結果というのは、あり方(Being)と行動(Doing)の掛け合わせで実現するものだから、同じ行動をしていても、あり方が違えば結果として得るものごと(Having)が違うのです。

同じDoingをしても、Being1でやるか、Being2でやるかで、結果であるHavingが変わる

では、どうやったら、あり方(Being)を変えられるのか?

もうすでにさんざん頑張ってきたよ、という人にお伝えしたい秘策は、これまでだったらやらなかったようなことをやってみる、です。

ん? それって、行動(Doing)では? あり方(Being)とは違くない?

そう、そうなんです。

でも、ここで提案しているのは、結果(Having )得るための行動ではなくて、あり方(Being)を変えるための行動です。

どういうことか?

今のあなたの状態は、これまで自身の体験に適応した結果、なんですね。

ということは、これまでと違うような体験をすれば、これまでとは違う適応が起こって、これまでとは自分の状態が変わるんです。

だから、これまでだったらやらなかったようなことをあえてやってみる、なんです。

とはいっても、社交的ではない状態のA子に、いきなり1000人の前でスピーチしよう、なんていう極端なチャレンジをすすめたいわけではありません。

たとえば、これまでだったら見なかったジャンルの映画を見てみる、とか、食べたことがなかった食べ物に挑戦してみる、とか、小さなことでもいいのです。

それが自分の望み(Having)とどうつながるかわからなくてもいい。

なぜなら、まずはあり方(Being)を変えたいだけだから。


あり方(Being)を変えるというのは、動作学で解説すれば、インプット→プロセス→アウトプットのインプットとプロセスを変えること、です。

これまでと違う行動をすることは、それだけで、これまでなかった新しい視点をインプットすることになって、あなたのあり方(Being)が自然と変わります。すると、必然的に、あり方(Being)と行動(Doing)との掛け合わせで生まれる結果(Having)も変わってくるのです。


動作学的に物事を見る時の3つの考え方については以下の過去投稿をご参照ください。
◉インプット・プロセス・アウトプット(知覚行為循環)
 アウトプットを変えるために知っておきたいこと
◉動的平衡(ゆらぎ)
 生きることは揺らぐこと
◉適応
 今のあなたは過去の適応の結果