【改】高橋洋一氏の経済学
安倍政権等に政策提言されていた高橋洋一氏の経済における考え方をまとめてみました。
高橋洋一氏の思考
高橋洋一氏の思考を端的にまとめると下記4つが挙げられます。
Ⅰ.経済成長必要派
Ⅱ.反消費増税
Ⅲ.地方分権
Ⅳ.年金は問題ない
です。
その根拠等記載していきます。
内容に関してはこの本についてです。
Ⅰ.経済成長派
経済成長とは
一般的に経済成長とはGDPの対前年度比でプラスになっていれば成長とします。
GDPには名目GDPと実質GDPが定義付けられていて、実質GDPとはインフレ率を加味したものになります。
ではGDPとは?
よく聞きますね。
日本は第3位ですが、間もなくドイツに抜かれるという話もあります。
ただ、具体的に何なのか?と言われたらわからないのが実情ではないでしょうか。
よくわからないですが、経済活動全体の総額を表す指標というのがキーワードです。
ちなみにドイツに抜かれる云々の話はドル建での話。
円換算だと日本はまだ3位らしいです。
それがいいのかどうなのかはよくわからないですが。
GDPの数式化
GDP=消費+投資+政府需要+輸出−輸入
で表されます。
政府需要とは国債発行で金融機関から政府にお金を集め公共工事等に使うことである。財政支出、政府支出は同意と捉えていいです。
オークンの定理
オークンの定理とは経済成長率と失業率の相関を現したもので
経済成長と失業率が負の相関を示します。
つまり経済成長すれば失業率が下がるということです。
グラフの見方
X軸:右に行けば経済成長 Y軸:下に行けば失業率低下
高橋洋一氏が経済成長が必要だ!という根拠になるのがオークンの定理です。
国の責任は食えない人を最低限にすること。
つまり、失業者を減らすために「経済成長が必要」というのは高橋洋一氏のキーワードであります。
そして国民総所得が上がれば、分配が働くとも言ってます。
Ⅱ.反消費増税
反消費増税の説明をする前に経済政策等の知識が必要です。
高橋洋一氏が顧問を務めていた安倍首相の時代の政策をみていきましょう。
アベノミクス3本の矢
安倍元首相が掲げていた経済政策がアベノミクスです。
その語源はエコノミクス(経済)からきています。
下記内閣府HPより
1.大胆な金融政策
企業・家計に定着したデフレマインドを払拭
日本銀行は、経済・物価情勢を踏まえつつ、2%の物価安定目標を実現
2.機動的な財政政策
デフレ脱却をよりスムーズに実現するため、有効需要を創出
持続的成長に貢献する分野に重点を置き、成長戦略へ橋渡し
3.民間投資を喚起する成長戦略
民間需要を持続的に生み出し、経済を力強い成長軌道に乗せていく
投資によって生産性を高め、雇用や報酬という果実を広く国民生活に浸透させる
経済政策
経済政策は大きく分けて2つあります。
①財政政策(アベノミクスの2本目の矢)
②金融政策(アベノミクスの1本目の矢)
です。
順に見ていきます。
財政政策
●財政政策とは政府需要を高めること
※政府需要:国債発行で金融機関から政府にお金を集め、公共事業に使う。
(例)公共投資で仕事を作る
⇨インフラ整備、防犯
おさらいですが、政府需要はGDPの公式に入ってましたね。
●GDPの公式
GDP=消費+投資+政府需要+輸出−輸入
上の例だと公共投資をする⇨政府需要は上がるのでGDPは増加します。
①財政出動(国債発行等)すると政府需要が上がり、仕事が増える
②収入が増え、消費が増える
③需要が増え、輸入も増える
④需要が高止まりすると、設備投資も増える
マンデル・フレミングの法則
上記の表だけ見れば、財政出動有能!!となりますが、そう簡単にことは運びません。
なぜならそこには金利というものが存在するからです。
実態としては財政出動すると市場に流通するお金が増えるため、「お金の価値」が下がります。そして金利上昇します。
そうなると円高(海外の投資家が円を買いに来る、銀行に預けたり、国債買うのと同じ)に振れ、日本のGDPを支える輸出が減少(量は同じでも為替の影響を受けて利益が減少)することとなり景気が悪化します。
金融政策
一見万能な財政政策でしたが、金利という敵が現れました。
そこで次なる手が金融政策です。
金融政策とは
金融政策とは金利をコントロールすること(中央銀行が実施)
※上がりすぎた金利を下げる(円安にして輸出を増やす)
になります。
財政政策だけでは問題が生じましたが、金融政策をセットで行うことで経済成長(GDP増)できます。
ここまでアベノミクスの3本の矢の1本目と2本目をみてきました。
財政出動と金融政策で経済成長が進むはずです。
しかし、日経平均株価は上がりましたが庶民の生活の改善には至りませんでした。
その要因となったのがこの章のテーマである消費税です。
税金について学びましょう。
税金
嫌な言葉ですね。
しかし、国民の義務です。知っておきましょう。
税とは景気の調整弁
税とは嫌々ながら国に収めるものというイメージがありますよね。
しかし、そうではないと高橋洋一氏は言います。
税とは、景気の調整弁
景気が良く市場に貨幣が出回り過ぎた時には増税し、引き締める
貨幣の流通が足りないときには減税する。
しかし、実際はこんな議論なされてないですよね。
国の赤字解消のために「増税」だ!となっています。
税の種類①
税の種類は2種類あります。
目的税(国が使える税金)≒国税
一般財源(地方が使える財源)≒地方税
他にも直接税・間接税という分け方もあります。
税の種類②
応益税・応能税という分け方があります。
その分け方を紹介します。
・応益税とは景気に左右されにくい税
例)固定資産税、森林税、自動車税、ガス税
であり、高橋洋一氏は景気に左右されない事業(インフラ・教育・福祉)に使うべきと言います。
・応能税とは景気に左右される税
例)所得税、法人税、住民税
消費税
消費税には賛否ありますが、高橋洋一氏は冒頭に述べたように反消費増税派。
その根拠が下記です。
日本は中央に8割、地方に2割 税収として入っている。
海外はほとんどが消費税は地方税(アメリカは州によって税率が違う)
税の特色として地方税にした方がいい(応能税)
富裕層も低所得層も同じだけ課税されるため不公平な税
消費税の使い道や増税反対の理由に関しては細かく述べています。
● 財務省の消費増税の理由:社会保障費の増大
社会保障は国策(目的税)で実施するもの
⇨一般財源(地方税)である消費税で補うことが間違い
税の種類として的確に述べていて非常にわかりやすいですね。
当たり前ですが
消費税を増税すると、消費が下がる
政府需要は増える(税収が増える)
となり
GDPは下がります。
つまり、「失われた30年」とは政府の自作自演だったと高橋洋一氏は述べています。
結果、国と企業だけが儲かって国民は置いてきぼりにされたと述べています。
せっかくうまくいっていたアベノミクスに水をさしたのが消費増税だったとは高橋洋一氏の弁。
実際、国民のデフレマインドは染み付いたままです。
Ⅲ.地方分権
これは説明省きますが、消費税と関連です。
消費税は地方税であるから社会保障に使うのではなく、地方で使うべきと本に記載がありました。
Ⅳ.年金は問題ない
長くなったので割愛します。
年金は問題ある派の意見とまとめて書きたいと思います。
アベノミクスへの評価
金融緩和に対する評価
金融緩和政策には、日本のデフレーションの打破や企業の収益向上に寄与したという一定の評価があります。日本銀行は大規模な量的緩和政策を実施し、長期金利を抑制することで低金利環境を維持しました。
とChatGPTくんが述べています。
ほんとにデフレ打破できたのでしょうか。
個人的に全くできたとは思っていません。
そして2%のマイルドインフレも全くです。(現在のインフレはコストプッシュインフレなので除外)
個人的には達成率20%程度。
恩恵を受けたのは円安に恩恵を受ける輸出企業だけでしょう。
財政政策に対する評価
財政出動により、公共事業や企業への支援が行われ、景気刺激が試みられました。一方で、財政赤字が拡大し、国の借金が増加したことに対して懸念の声もあります。
とChatGPTさんが述べてますが、ここに関しては国の借金(⇦この表現は間違っている。国とは「政府」+「民間」。まぁ国としても資産は減ってているが)は増えるのが前提の政策なので問題ない。
結果として、国民まで恩恵が行き渡っていない。
東京五輪などで大手建設業者だけが儲かったのではないか。
まとめ
高橋洋一氏の経済理論如何だってでしょうか。
非常にシンプルでわかりやすいと思います。
しかし、GDPは人口が大きいほど大きくなりやすい指標です。
なので人口の恩恵を受けていたのは間違いありません。
今後人口減ってGDPも下がっていくでしょうが、高橋洋一氏はそれでも経済成長(GDP前年度比増)が必要と言い続けるのかどうするのか注目です。
あと消費増税がなければ、インフレ率2%のマイルドインフレは達成できていたのでしょうか。
気になるところです。
個人的な意見
円高になり輸出が減となるというのは、輸出を主とする大手企業向けの目線である。
では、どの程度のレートが適切なのか知りたいところ。
あとGDPというのはあくまでモノとサービスの合計。
モノの行き渡った日本でGDPという指標はむしろ不要なのではないか。
使う指標としてもう古いのではないか。
そして、消費増税に関しては絶対に国民は負けてはいけません!!
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