セルフレジ魔法陣

近所のスーパーにセルフレジコーナーがある。
今の世の中では、そう珍しくも無いだろう。
セルフレジの数は5台で、利用者が少なかったこともあり、引っ越した当時は割と使っていた。
しかし、ここ半年ぐらい、その一角はテープで囲われていて、「こちらは現在使えません」なんて看板まで立てられている。
なので、最近はめっきり足を踏み入れていない。
とは言え、なぜ封鎖されているのだろう。
オレの見立てでは、原因は二つだ。
一つは、人員不足。
そのスーパーは、セルフレジ専用のスタッフを据えていた。
それにも関わらず、先述した通り、セルフレジ利用者は殆ど居なかった。
そうなると、セルフレジ専用のスタッフは暇を持て余してしまう。
実際に、ただボーッと突っ立っているだけの様子もしばしば見受られた。
それなら一層普通のレジに入ってもらった方が、回転率上昇に繋がると経営者も思ったのではないだろうか。
せっかくセルフレジコーナーを備えているぐらいだから、本当はセルフレジ専用のスタッフもちゃんと置きたかったはずだ。
人員不足は、いつの時代も経営者の頭を悩ませる。
そして、もう一つは、魔法陣だ。
召喚魔法を唱えるべく、魔法陣を作り、結界としてテープを利用しているのだろう。
そう考えれば、ちょうどレジの数も5台だ。
それらを点として結び、線にすると、五芒星やペンタゴンが出来上がる。
五芒星やペンタゴンがな〜んか魔法陣っぽいことは、生まれたばかりの赤ん坊でも知っているぐらい当たり前の事実だ。
加えて、テープで結界を作る意味も自ずと分かる。
おそらく、召喚の際に不純物が混ざり、失敗することを防ぐためだろう。
ここまで要素が出揃うと、経営者が召喚魔法を試みていることは、ほぼ間違いない。
では、一体何を召喚しようとしているのか。
そんなものは、一つしか考えられない。
足りていないセルフレジ専用のスタッフでしょ。

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