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ロスト・モロヘイヤ・バージン

 モロヘイヤを食べた。人生で初めてかもしれない。これで、まだ食べたことのない物は“ホヤ”だけになった。もちろん『クレイジージャーニー』や『ハイパーハードボイルドグルメリポート』的なヤツは除いて、だ。こう言う時、普通の人間はキビヤックの話をしない。

 モロヘイヤは、ネバネバした口触りなのにクセが無くて美味しい。ツナとプチトマトを加え、調味料を足して和えるだけで美味い。パクパクいける。とは言え、めちゃくちゃ美味いってほどではない。この小鉢とビックリマンチョコが並んでいたら、迷わずビックリマンチョコを選ぶだろう。ビックリマンチョコがシール無しで、ちょうどどっこいぐらい。

 ただ、そんな味の話はどうでもよくて、体調の変化に驚く。お通じがめちゃくちゃ良くなる。いや、めちゃくちゃ良いなんて言葉では片付けられない。腸の中のありとあらゆる汚いものを全て排出してくれる。量で言うと、初期の『浦安鉄筋家族』ぐらい出ていた。あまりにも出るので、今はもう恐怖すら感じている。こわい。そもそもオレは、モロヘイヤに便通改善の効果があるなんて知らずに食べていたのだ。ただの同級生だと思っていた彼女が、実はアイドルだったあの感覚に近い。ちなみに実体験だ。うそだ。

 なのに、一緒にモロヘイヤを食べた嫁からは全然変化を感じられない。悔しい。今、この文章を書いている横で、普段と変わらずグースカ寝ている。多分、体内に居るであろうモロヘイヤが、オレの食べたモロヘイヤより大人し過ぎるのだ。居るよな、女の前だと急に喋らなくなるヤツ。とりあえず、まだまだ余っているので、嫁にはこの事象を体験するほど食べてほしい。何なら語尾に「キャプー」って付けてほしい。

 それにしても、モロヘイヤって名前はウケ狙い過ぎだ。「モロ」って入ってるもん。「モロ出し」の「モロ」。オレがギャルだったら、初めて聞いた時に一日中笑っていると思う。モロヘイヤ、マジ草。

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