ノルマ街道旅

休日にテレビを点けた際、タイミングが合うのか、よく観る散歩番組がある。
自分の好きなタレントがMCであることと、ストレスフリーで観られる雰囲気が堪らない。
そこまで好きであれば、もう一層録画してしまおうと考え、数週間前からハードディスクに保存し始めた。
すると、急に観るのが苦痛になってきたのだ。
不思議である。
今まで何の気無しに堪能出来たはずが、急にノルマとなってしまったことが原因だろう。
ハードディスクドライブにはどうしても容量があるし、しばらく保存したい特番もある。
課題のように一定のスパンで観続けなければいけないため、純粋に楽しめなくなってきた。
う〜ん、どこかで覚えたことがある感覚だ。
そうか、ラジオか。
数年前の一年間だけ、オレは深夜ラジオ好きが高じて、メールをめちゃくちゃ送っていた。
ボツになればすぐ諦めていただろうが、割と採用率も高く、毎週レベルで読んでもらえる番組が多くあった。
自分で言うのも恥ずかしいが、所謂メール職人的な扱いだったと思う。
だが、そうなってくると、いくつか弊害が生じたのだ。
まず、毎週考えるメール案が仕事のように生活を圧迫していった。
常に大喜利を課されているような気になる。
さながら『水曜日のダウンタウン』の企画みたいだ。
次に、トークやコーナーを素直に聴けず、採用されるか否かを聴くことが目的になってしまった。
言わずもがな、健全な楽しみ方ではない。
そこから派生し、最終的にはラジオから距離を置きたくなってしまったのだ。
最初から一年と期間を決めていたため、ラジオ嫌いとまではならずに済んだが、あれが続いていたら確実にアレルギーを発症していただろう。
どうやら今回の散歩番組も同じ轍を踏みそうだ。
この対策としては、気分が乗るまで無理に触れないようにすることこそ最善である。
それも先述の経験から学んだことだ。
のるまで観ないようにしたい。