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「死滅回遊魚」(詩・過去作)

 今回のメンバーシップ様向け記事は、過去作掲載となります。
 土曜美術社の詩誌「詩と思想」2006年9月号投稿欄より。自分の作品が活字として印刷された最初の作品となります。タイトルの「死滅回遊魚」というのは作中の説明にある通りの生物学、海洋生態学で使われている用語。当時動物関連の書籍を集中的に読んでいた影響だと思います。呪術廻戦で「死滅回遊編」が始まることを2006年当時から予想していたわけではありません。

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「死滅回遊魚」楢山孝介

子供の日、芥川という川でこいのぼりを観た
家庭や学校から不要になったこいのぼりを貰い受けたものを
川の上空に千匹ぶらさげて
空を泳がせている

遠くから眺めていれば優雅だが
真下を通れば
ぼろぼろのもの
何とか幼稚園と大書してあるもの
既に破けて、紐に絡み付いているものが見られた
そちらからの眺めの方が、少し好きだ

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652字

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