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#読書感想文

「躁鬱大学」坂口恭平

 メンタルの化け物と長い間言われてきた。中学生ならば即自殺してもおかしくないような扱われ…

泥辺五郎
1か月前
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「生き直し」岡部えつ

 幼稚園年長組の息子の卒園が近づいている。「幼稚園に行くのはあと◯日」と毎日言っており、…

泥辺五郎
3か月前
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「嘘を愛する女」岡部えつ

 脳脊髄液減少症による3週間の入院生活明け、退院日翌日に、市役所を訪ねた。娘の通うデイ・…

泥辺五郎
3か月前
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Kindle出版物で心動かされた本5冊

 入院18日目。入院中読んだ本の数は43冊となりました。当初は「哲学攻めっか! 古典挑むか!…

泥辺五郎
3か月前
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「3年間、失敗し続けたら作家になっていた話」はたらくたぬきち

*  今後自分はどうなるのだろう、と考えるとあまり眠れなくなり、睡眠薬をもらって飲んでい…

泥辺五郎
4か月前
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「臣女」吉村萬壱(再読)

 入院生活も長引くとKindle Unlimitedで読みたい本を探すのも大変になってくる。それならばい…

泥辺五郎
4か月前
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原民喜「廃墟から」感想 原爆投下直後の広島の日常 #シロクマ文芸部

 平和とは何かと考えたが、戦争が起こっていない状態とはいえ、今のこの国の日々が平和とは言えないのではないかと思い、結論など出るはずもなかった。代わりに、たまたま最近読んだ作品に原爆投下直後の風景が描かれていたので、その感想を記しておく。  原民喜「廃墟から」を読んだ。 青空文庫版   原民喜は1905年生まれの詩人・小説家。  1945年、郷里の広島へ疎開中に被爆。爆心地から1.2kmの距離であった。  崩れ落ちた廃墟となった実家を始めとした、原爆投下直後の広島の光

「電柱鳥類学」三上修

 人は二種類に分類できます。  ボケを挟まないと生きていけない人と、そうでない人と。 「電…

泥辺五郎
1年前
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大きくなりすぎた金魚はどこへ行くのか

 大滝瓶太「ヒア・ゼア・エブリウェア」の終盤、金魚が動かなくなる。飼い主のイルという女性…

泥辺五郎
1年前
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吉村萬壱「CF」

誕生日に、二冊の本を買った。 Twitterで一言、呟いてみた。 (「ポラード病」→「ボラード…

泥辺五郎
1年前
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砂川啓介「娘になった妻、のぶ代へ」

著者は初代体操のお兄さん。妻の大山のぶ代さんは1979年から2005年まで、初代ドラえもんの声優…

泥辺五郎
2年前
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岡田真弓「探偵の現場」

探偵依頼の77%は不倫調査という。 大規模な探偵社の社長が書く、探偵の現場についての一冊。 …

泥辺五郎
2年前
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佐藤大介「13億人のトイレ 下から見た経済大国インド」

13億人の人口を擁するインドでは、人口分のトイレは用意されていない。誰もが家にトイレを持っ…

泥辺五郎
2年前
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今村夏子「星の子」

そもそも今村夏子を読むきっかけとなったのは、しばらく前に見たTwitterのタイムラインだった。誰かが「星の子」を読んでいるのを見て興味を持った人が読み始めた。呟きの詳しい内容は忘れたが、数珠つなぎされていく様子を見て自分も読みたくなった。そのうちの一人の方は、「星の子」に影響を受けた小説を書き始めてもいた。私も「あひる」を読んだ直後に「千人伝」を書き始めた。彼女の作品は人の創作意欲を刺激するようだ。 文庫版に収録されている小川洋子氏との対談で、彼女が小説を書き始めたきっか