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何してる人?

「で、みどりさんって何している人なんですか?」

そんなことを聞かれるようになって随分経つ。そして、私自身を含め、私の周りにはそういう、職業や肩書きの定義に難しさを感じている人が結構いる。

なぜ仕事の説明が難しいかというと、「既存の(職業や仕事の)枠をはみ出している」から。

何をしている人なのかわかりにくいのは、不便。だけれど、昭和から平成を経て、令和を迎えた社会では、便利で効率のいいことだけが価値ではないことに、多くの人が気づき始めているはず。

わかりにくいのは、それまでにないからで、他の人が気づかない隙間やニーズを埋めていたり、新しいことに挑戦しているということでもある。

「将来はAIが多くの仕事を担うようになり、たくさんの職業が消える」と言われて実は結構な年月がすでに過ぎている。なのに、私たちは未だ「職業」や「肩書き」(や学歴や就職先)に捕らわれているのだから、ちょっと情けないよなとも思ったりする。(自分のことです)

過去の価値観と未来の見えないものの間で私たちは戦っているのだろうか?

いずれにせよ、遅かれ早かれ新たな時代は確実に訪れる。その証拠に、20年前には誰も想像すらできなかった世の中を、今、私たちは生きている。

世界中の多くの人が手のひらサイズのスマホを使いこなし、送金や映画鑑賞や株の取引や、授業の参加や、願書の提出や、航空券の手配や、ありとあらゆることがその小さな機械の中で完結し、ほぼ同時に世界と繋がれる社会になっていると、誰が想像していただろう?スティーブ・ジョブスの頭にはどこまでのイメージがあったのだろうか?

とにかく、ここから10年先にだって、きっと、今の私たちには想像できない世界が待っている。

そんなことを考えていると、先の見えない時代を生きているのだから、仕事や肩書きがはっきりと見えないのも当然だと思えてくる。むしろ、そういう生き方こそ、今の子どもたちが将来、「働くこと」を考えるときに参考になるのではないだろうか。

そもそも「働く」ということは、「社会に対して価値を提供すること」であり、その対価として「やりがい」や「金銭」というリターンがあるのだと思う。

「社会へ価値を生み出す活動」こそが仕事であり、働くことの醍醐味ならば、「枠を超えていてわかりにくい働き方」こそ、これからの時代に求められるのではないだろうか。

それならば、そのわかりにくい働き方や職業を堂々と語っていきたい。自分の生き方は自分でデザインすればいい。だから、もう世の中の仕事の定義に合わせて肩書きを決めるのではなく、自分の名前で行きていく、そんな流れが生まれて、もっと定着して欲しい。そうすれば、わかりにくい働き方をしている私も、仲間たちも、今よりもう少し心地よくいられるし、周囲にも、インスピレーションや新しい視点という価値を提供できるかもしれない。

「何してる人なんですか?」

そんな質問をする時には、「よくわからない」という不安な感覚ではなく、それまでになかったような出会いをする瞬間なのだと、ぜひドキドキを伴った感情で聞いて欲しい(笑)

そして、私も「よくぞ聞いてくれました!」とワクワクして語れる心と言葉の準備をしておきたいと思う。(仲間の皆さんも、ぜひ一緒に!)

そんな想いを込めて#MynameisMytitle というハッシュタグを作ってみた。

お友達のししどちかちゃんと年末にそんなことを話していて、彼女は早速記事にしてくれた...!

私はデザインの専門大学でブランディングについて勉強して、ずっとブランディングについて考えてきた。その人やその商品や、そのブランドの強みは、特徴はなんなのか。この先、どんな価値を社会に提供していけるのか。何者なのか。どうなりたいのか。どう伝えていくのか。

結局、その興味関心の根っこは、ミステリーハンターに憧れていた子どもの頃からちっとも変わってないなと気がついた。

デザインは好きだけれど、私にとってはあくまでもツールの一つ。英語も文字を書くことも、人と会うことも、インタビューも全て同じ。ただ、デザインは相当お金と時間と家族への負担をかけたので、それを活用して元を取らなければいけない気がしていた(笑)けれど、2020年はそんな思いも手放して、もっと自由にもっともっと自分の生きたい人生をデザインしていきたい。

「仕事」というものは「就くもの」ではなく「作るもの」に、「働く」ということは「どこかに所属」し、何かを「提供する」ということではなく、「想いを寄せたり」「無いものを形にしたり」「生み出すこと」になっていくのではないかなぁと想像しながら2020年を迎えている。

今年もよろしくお願いします。

初めてアメリカで働いて、一人暮らしをしたカルバーシティにて。
2020年1月2日





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