スクリーンショット_2019-11-24_1

Q.データサイエンティストはどの領域のデータを狙うべきか?

結論からの述べると、次の通りです。順を追って解説します。

A. B2C業界の営業、マーケティング、サプライチェーン領域(推定600兆円以上)

データは21世紀の石油

2017年にThe Economist(1)も「データは21世紀の石油」と述べているように、21正規はデータの時代の訳ですが、IDCの調査(2)をまとめると、すごい勢いでデータが増え続けていきます。

スクリーンショット 2019-11-24 0.03.24

データ量は以下の通り、指数関数的に増加していくわけですが、実際データが増えることによる経済的価値はどのくらいあるの?というのを調べたMcKinsey Global Instituteのリサーチ(3)を解説します。

スクリーンショット 2019-11-23 23.54.16

データ活用による推定潜在価値は1000兆円以上

マッキンゼーの数千事例のプロジェクトを基に推定した結果、次のような推定結果が分かりました。

・潜在的な経済価値は1000兆円 ~ 1500兆円
・2030年までの労働生産性の改善の内60%がデータ活用に寄るもの
・特に「営業・マーケ」「製造・サプライチェーン」の領域が大きい。

どの業界のどの領域の経済価値が大きいのか?

更に、業界 × 業務領域別のデータ活用による潜在価値を見てみると、B2C領域 × セールス・サプライチェーン領域のボリュームがとても大きいことが分かります。

やはり、指数関数的に増加していく、消費者リアルタイムデータをいかに活用するか。が肝になりそうですね。

スクリーンショット 2019-11-24 0.10.40

AIはどの業務領域で効果を発揮するのか?

業務領域別のAIによる価値規模を基に、AIによる潜在価値のシェアを推定してみました。

スクリーンショット 2019-11-24 1.11.42

▼ 営業、マーケティング
まずは、顧客情報のシェアが出来ていないので、データを1元化すること。そして、潜在顧客の特定などに、AIをいかに活用するか?が肝になります。

▼ ファイナンス・IT部門
既にデータを活用している部門なので、いかにAIでデータ解析などの作業をリプレイスできるか?というところが論点になると思います。

▼ 製品開発、R&D
自動車メーカーの事例などが参考事例として上がっていましたが、競合よりも速く新製品を市場に投入できるか?によって、売上が大きく左右されるとのことです。
そのためには、様々なデータを統合し、R&Dのボトルネックを的確に特定することが重要になります。

どうやってデータドリブン経営を達成すればいいのか?

ここまでで、データの活用によるインパクトの大きさを理解していただいたと思いますが、本著ではデータドリブン経営を達成するためのマイルストーンも掲げられています。

1. CEOが明確なビジョンを打ち立て、全社を巻き込む
2. データドリブンの案件の優先度をつけ、経営会議で意思決定する
3. 最初のパイロットを絶対に成功させる
4. 従業員に投資して全社のケイパビリティを高める

要は、データドリブン経営とは横断的であり、組織の抜本的な改革が必要ということですね。

これからのデータサイエンティストに必要なスキル考察

消費者リアルタイムデータの指数関数的増加により、特に、B2Cのセールス・マーケ・サプライチェーン領域の経済価値が大きいことが分かりましたが、これからは、次のようなスキルが特に重要になってくるのではないでしょうか。

スクリーンショット 2019-11-24 0.42.35

更に詳しく知りたい方は、こちらの本を読んでみてください。

参考文献

1) The Economist「The world’s most valuable resource is no longer oil, but data」,<https://www.economist.com/leaders/2017/05/06/the-worlds-most-valuable-resource-is-no-longer-oil-but-data>, 2019/11/24アクセス

2) ZDNet Japan「2025年には世界で生成されるデータの約30%がリアルタイムデータに--IDC」<https://japan.zdnet.com/article/35129774/>, 2019/11/24アクセス

3)「データドリブン経営の本質」,『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』2019年6月号,  ダイアモンド社


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?