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痛みについて

こんにちは、トレーナー、治療家のしょうへいです!

今回が初投稿で容量を得ていないところがありますがお時間ある時に読んで頂ければと思います!

痛みの歴史

世界中で認知されている学問に医学が存在しますが、医学とは大きな分類の一つでその中には『解剖学』『呼吸器学』『生理学』『病理学』など他にも何十種類と存在します。

その中で『疼痛学』つまり痛みとは身体で何が起きてどのように発生しているかを研究をする機関があります。
痛みの科学の歴史は1600年代から始まります。過去に遡った話になりますが、人類ができ痛みについての研究は約400年程度であり他の分野に比べるとまだ歴史の浅い学問と言えます。

当時は痛みの概念が様々示されその一つに
『反射』
例えば足元に火が上がっているとします。火の微粒子が皮膚の感覚を刺激し脊髄へ上がっていき、脳まで到達した後に足を引くという動きが発生する。
つまり脳の一部で痛みを感じる部分があると考えられたり、情緒が痛みの根源だと考えられるなど、様々な考えが『痛み』の医学の基礎となっていきます。

痛みの価値

そして他人と共有できない本人にしか感じることの出来ない、実態のない「痛み」は時代によってあらゆる立場、姿を持って現代に至ります。

昔、部族によっては若い男性のみが受けることのできる儀式に痛みを伴うものもありそれを乗り越えれば立派な大人になった証として用いられたり、

そこから分かり始めたのが民族や生活環境によって痛みの感じ方が異なること、誰一人として同じ痛みを感じることは出来ない。

現代でも聞くことがありますが小さな怪我をした時に「それぐらい我慢しなさい」などその人の痛みを感じることが出来ないのに「大人だから、お兄ちゃんだから、お姉ちゃんだから」と社会的な立場の形成や、痛みの対する態度の取り方など、

痛みとは人類と共に価値観に変化が起きています。

そして現代では痛みは本当に無視していいものなのか、実際に体の中で何が起きているのかを調べることで少しずつですが解明されてきています。

そこから「痛み」に対しての「治療」という行為が生まれてきました。

長々とお話しさせて頂きましたがもう少し現在、「痛み」で分かっていることをお伝えさせて頂きます。

感覚と脳

いきなりですが、質問です。みなさんがこの記事を読んでいる時どのような姿勢で御覧になられているでしょうか。寝転びながら、椅子に座りながら、正座しながら、立ちながら…

この質問で重要なことはどの姿勢ではなくどのようにしてその姿勢を保っているかです。

簡単に言うと、背中に力を入れているのか、腰に力を入れているのか。しかし大半の方は特に何も意識せずにその姿勢を保っていないでしょうか?

歩行時もそうです、大人になれば右足、左足を交互に意識せずとも自然に歩けている。

普段はこのような事は意識する機会はないと思いますが他にも何か細かいことを意識せずに出来ていることがないかこの記事を読んでいる時だけでも一緒に考えてみましょう。

例えば階段の上り下り、ジャンプ後の着地・走る時の片足での着地、椅子の立ち座り時の姿勢の取り方など

言い出すとキリがないほどに出てきます。

上記の動き以外にも皆様は何か思いつきましたか?

そしてうすうす気付いている方もいらっしゃるかもしれませんが人は目的があればほとんど無意識で体は動いています。

もちろん何をしたいのかどこに行きたいかなど目的設定は自分の意思を持って決定しますがそこに行くまでの身体の動作を一つずつ意識しながら行う事はないと思います。

しかしスポーツ、運動をしていくうえではこのような自然に出来る動きをより効率よくしていく必要があります。

この体の自動運転機能が痛みととても関連しています。

脳と身体の関係性

体が意識していなくても動けているのは全て身体の中、外からの情報が脳に集められて脳が勝手に身体をコントロールしてくれているからです。

脳に常に体の情報を伝える役割を担っているのが『受容器』という器官になります。

人にはこのセンサーが大きく分けて4つ存在します。

「外受容感覚」「内受容感覚」「固有受容感覚」「感覚受容器」

身体の外側の情報を取り込む感覚は「外受容感覚」

・視覚

・嗅覚

・聴覚

・味覚

・触覚

身体の内部、臓器から得られる感覚を「内受容感覚」

・体温

・呼吸

・心拍

・内臓

自分の体が動いていることを伝える感覚を「固有受容感覚」

四肢、体幹の位置情報を得る(自分の膝が曲がっているか、肘が曲がっているのかなどの身体の動きを感じる)

この感覚があることで自分の身体がその空間にいることを認識できる

自分の身体に直接起きている刺激を得るための感覚を「感覚受容器」

・機械受容器

・圧受容器

・温度受容器

・化学受容器

・電磁受容器

・侵害受容器

まだまだ細かいところを含めるとたくさんの受容器が存在しますがこれら受容器が脳へ止まることなく情報を与え続けています。
どの情報が脳のどの部分に入り処理されるかは人によって割合が異なるそうです。

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そして脳へ伝わる情報量は1秒で4000億ビット(変換すると50GB)もの大量の情報が入ってきます。この量の情報を全て処理しようとすると約820年かかると言われております。

さすがの人間の情報処理能力をもってしても全ての情報を処理する事は物理的に難しいところがあります。しかし可能性は0ではありません。

では実際どれぐらいの量が人間が意識できる可能性のある情報として処理されていると思いますか?

それはたったの2000ビットです。脳は4000億ビットの情報から2000ビットの情報を厳選して処理し人の意識下に落としていると言われています。

身体にとって脳にとって優先すべき情報を選んでいるのです。

結果、人はこの情報の処理のおかげで意識しなくても常に今必要な命令を脳が発信することで自動運転で動くことができるのです。

人の仕組みは身体という全ての器官から入る情報が脳にインプットされ、脳から身体に必要な命令をつまりアウトプットして成り立っています。

そしてこの情報のやり取りは全て「電気信号」に変換してやり取りされています。

脳が偉い、身体が偉いという立場はなく両方がある事で自由に動く、感情を持つことができる、生命を維持することが出来ます。

痛みの存在理由

遠回りになりましたが実は痛みも同じことが言えます。

[例えばタンスや机、椅子などに腕をぶつけてしまったとします。ぶつけた直後はそんなに痛くなくても時間が経つにつれて腫れや痛みがひどくなったり、ぶつけたところとその周辺まで痛くなった経験はないでしょうか?

もし、組織から痛みが出ていると仮定した場合ぶつけた瞬間から激痛が走り動けなくなるはずです。

この時も腕をぶつけた、その衝撃で筋肉などの組織に何が起きたかの情報が全て脳にいき、脳がそれ以上腕を動かすと危険だと判断することで脳から痛みの指令が下されます。

その為少し時間差があり症状が出始めます。

このサイクルはどんな状況や怪我に対しても起きることです、痛みが出ているところが原因ではないことがあるのはその為です。

筋肉の緊張が強い、張り感があるなどの身体に起きている現象はその筋肉が緊張しなければならないと脳が判断した結果起きている症状です。

痛みとは極端な話ですが生命活動を維持できるかどうかを脳が判断し、危険な状態だと処理した場合痛みという症状を結果として指示します。

痛みを感じている間に組織の修復を図ります。

これが今現在の分かっていることで少し痛みに関しての認識が変わったのではないでしょうか。

ここまで長くなりましたが、読んでいただきありがとうございました!


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