華麗なる闘痩7 彷徨編

◆前回までのあらすじ
77kgにリバウンドして闇堕ちした。

74kgを切りバビロンの栄華を謳歌していたところ、神の怒りに触れて一瞬で77㎏に戻るという怪現象がおきた。この世界の運営がデータをロールバックしたのである。また救えなかった。タイムリープした。

しかし、三歩進んで二歩退るマンボのようなリズムでダイエットは進行していたらしく、いつのまにかかなり飲み食いしても最大74kgまでの振り幅に収まるようになってきた。そして73㎏になったら報告すると予告していたが、勢い余って瞬間最大風速で72.9まで一気にきてしまった。

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正月に80㎏近くあったことを考えるとなかなか良いペースだろう。そういえば運動をGIFにして載せると書いたような気がするが、基本的にプランクなど動きの少ない静止系の種目ばかりやっていたので意味ないからやめます。ちなみにプランクはぽぽぽ氏から借りた少女漫画を読みながらやったりしていたので、中高生の恋愛模様を見ながら腹筋を鍛える中年男性という謎の文武両道が発生した。

一方、ライバルであるぽぽぽ氏はフィットボクシングで一日4000発のパンチを放ったりバーベルやベンチをしていた結果、ダイエット女子からマッスルファイターに転身し体重を3㎏増やしていた。

Twitterでは男の首の骨を蹴りでへし折る自信がある等と呟いているし、上の絵を見て分かるようにリングフィットと称して鋼鉄のリングを剛力で捻じ曲げている。ほとんど刃牙の世界のキャラクターだ。

しかし。ここにきてぽぽぽ氏が「コロナが収束するまでダイエットとか言ってる場合じゃない」「デブで良かった!だって食料なくても生き残れた!!!っていう時代がきてるんじゃない?」「今は悪魔が微笑む時代なんだぁ~~!!」などと言っており(最後のは言ってないが)この闘痩プロジェクトの凍結を申し出てきた。そういうことなら仕方ない。

俺は続けるけどね!

まあ先にも書いたがダイエット、実質マラソンやゴルフと同じで同伴者がいてもいなくてもやること一緒なのと、明らかに体重落した方が体調が良いので続けます。武術家の本分は非常心を以て日常を生き、非日常の中で日常を守ることでもあるので、こんな時にこそ、そんなことをやってる場合じゃないようなこと、不要不急のことに全霊を注ぐのが本道でもあろう。

孔子は楚の昭王に招かれたとき、暴徒に道を阻まれ七日間飢えたが、その間、琴を弾き歌を歌っていたという。あきれた弟子が何で今そんなことをするのか問うと、君子は驕ることがないように楽を好むのだ、と答えたと中島敦の本にある。あるいは石田三成が処刑場に行く途中で柿を勧められ、体を冷やすからと断ったのも一脈通じるウィットだろう。ろくでもないことをする為に俺は生まれてきた。遊びをせんとや生まれけむ!

さて、ぽぽぽ氏はダイエットをやめて何をするのだろうかと思ったら、断食をするらしい。一体こんな時になぜそんなことを……。

つづく。

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