あの頃について。
夏のあいだ。
何処にも属さないというテーマで、
仕事もせず、存分に心ゆくまで
ひとりの時間を楽しんでみた。
そろそろ社会復帰のタイミングかなと
8月末から再び働きはじめ、早2ヵ月
が経過しようとしている。
ひさしぶりに通帳記入へ行ってみると
振り込まれていた口座の金額に驚いた。
こんなに働いたっけ??と 笑
思いの外、時間が経っていたらしい。
向かった場所は近所の行きつけの本屋。
いつものようにひとつひとつの本棚を
隅から隅まで丁寧に眺めては手に取り、
ぐるっと店内を2周。
気に入った数冊を抱え、レジへと向かう。
ここの本屋はわたしにとって一度で二度
楽しめるような、とっておきの場所。
前半の本選び。
後半は店主との会話。
店主との会話はじつに心地よく、一見
何でもないような話をしてるようで、
あとでハッと!!とさせられるような
気付きやひらめきをもたらしてくれる。
また、店主との会話が始まると人の往来
はパタっと途切れ、誰にも邪魔されない
2人の時間になることがよくある。
まるで神様が、そっと見守るようにこの
空間だけ特別に時間を止めてくれている
ような不思議な感覚。
時間が経てば勝手に白黒ついていくから。
店主の何気ない一言が、季節の移ろいと
ともに、自分の中での【 日常 】という
時間の流れを再び取り戻せつつある事に
気付かせてくれた。
家路に着き、出逢った本に手を伸ばす。
たまたま開いたページのタイトルは、、、
『 あの頃について 』
そうか。もう、いろんな囚われや執着が
美しく昇華されていったのだとようやく
ようやく腑に落ちた。