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「食欲」という本を読んだ。

「食欲」という本を読んだ。
題名があまりにも興味深く、もしかしたら健康やダイエットにも効くんじゃないか?!という希望的観測も手伝って、一気に読み終えてしまいました。

でも、タイトルから感じたインスピレーションとは違い、自分がいかに不健康な食生活を送っているのか身につまされる、そういう内容でした。
ただ、この本を読んで、著者たち研究者の何十年にも及ぶ研究やフィールドワークをリアルに知ることで、人間の食餌、いや、生物全般の食餌に対する価値観や、本能的な食餌行動が決定付けられる根拠、全ての人間が生きていく上で無意識に選択している食餌の優先順位など、誰もが経験し、通過してきた食餌文化を深掘りすると、生物の持つ「タンパク質欲」こそが食欲という「欲」の本質だったんだと知らされる。
要は、タンパク質なのだ。

「タンパク質欲」が満たされず、極度のタンパク質不足に陥ると、コオロギも、そして人間さえも、共食いに走ってしまう危険を孕んでいるそうだ。実際に南極基地で、そのような悲劇が引き起こされた事例もあるそうだ。

余談だけど、この本を読んでから、実はちょっとだけ痩せた。
たった1キロだけど、でも、1週間で1キロだから、めちゃくちゃデカい!
…もちろん、僕にとっては、だけど(笑)

特に、45歳から65歳までの人は、最近の流行りに流されちゃいけない。
炭水化物を抜いて、タンパク質を増やすことが大切!!!なんて、〇〇ザップ的に言われてるけれど、でも、それを実行し続けると寿命は縮まるし、老化もスピードアップしてしまうそうだ。ただし、40歳くらいまでは積極的にタンパク質を採って炭水化物を控えめにすることで、生殖能力は伸びるのだそうです。

そしてさらに、65歳を超えると再びタンパク質を増やさせなければならないとのこと。65歳をすぎると、筋肉が急激に衰えていくからだそうです。

さてさて最後に、この本を読む「価値」について、お話ししたいと思います。

①生物学者たちの、短期的な結論に依存しない姿勢に感動!
→これが一番スゴい!と感じました。

②人間もまた、広い意味での「生物」なんだと、本気で思わせてくれた本でした。
→昆虫も哺乳類も人間も、みんなの食「欲」は、ほとんど変わらなかったことで、改めて自分たち人間だけが特別なんじゃない!と思うことができました。

③食欲に負けることが、おそらく(僕的には)人間の最も弱い部分なんじゃないかと、これまで思ってきました。この作品を読んで、ますます自分自身の弱さと向き合う機会を頂くことができました。

いい本でした。
本当に感謝です!

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