藤並々

地方の平凡なサラリーマンです。本や音楽などの感想や備忘録を書きます。

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最近の記事

しらふで生きる

という本を半年くらいかけて読みました。なにも数千ページにも渡る大長編だとか、難解すぎて1頁読むのに普段の10倍かかると言うわけではなく、単純に読書に当てられる時間が少なかった。という事と、31章建ての本作で30章くらいまで読んで次に本を開く(電子書籍です)と何故か20章前後に戻ってしまっていて、こいつ何回同じこと書いてんだ?と不思議にも思わずループしていたからでございます。端的に言えば著者の禁酒物語で、私もアル中に片足ともう片方の指先くらいは突っ込んでいる自信があるくらいの酒

    • 最近読んだ本について④

      5冊の本を読んだら感想文をまとめています。大体月一ペースで推移していますね。順調です。 ウォーターゲーム 吉田修一著 日本のダムが爆破された事件を端に水利権の裏で暗躍する産業スパイの攻防を軸に話が進みますが、政治家、企業家、投資家と利権を手にするために蠢くハイソサエティーの描写は資本主義社会の醜悪な部分をまざまざと見せつけてくれます。また、世界を股にかけ進むストーリーもスケールが大きく、敵となる謎のシンガポール国籍の男は何者でその目的は何なのか。最後までダレることなく楽しま

      • 最近読んだ本について3

        5冊の本が読み終わったので、なるべくネタバレなしの感想文です。 ⒈肉食屋敷 小林泰三著 ホラー小説好きにはお馴染みの小林泰三氏の「肉食屋敷」、「ジャンク」、「妻への三通の告白」、「獣の記憶」と言う4作からなる短編集。作者曰く怪獣小説、西部劇、サイコスリラー、ミステリーと言う構成になっているそうで、前2作はSF系、後2作は人間怖い系のホラーで一粒で2度美味しい感じの1冊でした。小林泰造氏の作品は設定やディテールがとても緻密で、作品の世界に入り込みやすいと思います。本作1番のお

        • 最近読んだ小説について2

          前回の投稿から随分時間が経ってしまいましたが、5冊読んだら書こうと決めているので、読書感想文2です。ネタバレしないで感想文を書くのって難しい。 1.殺人勤務医 大石圭著 お化けよりも人間怖い系のホラー。作者の小説を他にも読んでいるけど、殺人鬼にも感情移入できる作品が多い気がする。だとしても、ちょっと気に食わないところがあるから殺しちゃうのはダメだよね。ラストの下りは私のこれまでの人生と重なり合わせてありかも。と思ってしまった。本当はダメだよ! 2.テロリストのパラソル 藤

        しらふで生きる

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        • 雑記
          1本
        • 読書感想文
          1本

        記事

          最近読んだ小説について

          こんばんは。気まぐれのブログがわりにnoteを書いているので、読み終わったん本が数冊溜まってしまいました。しょうもない自己表現の場だと思っているので最近読んだ小説をレビューしたいと思います。 ①お見世だし☆☆☆☆ 舞妓さんが体験したかなり不思議な体験談風な短篇ホラー小説。舞妓さんの日常も知らなければ、京都の風習も知らないので勉強になる&文化と民俗を織り交ぜた話の展開が面白い。民俗に寄らずにちゃんとホラー展開しているのもグッド。和ホラーとして素直に勧められる作品。 http

          最近読んだ小説について

          村上春樹著、鼠三部作を読んで

          私は村上春樹の日本語を英語に訳してから日本語に訳し直したような独特の文体が苦手で敬遠していたのだけれど、hontoの村上春樹フェアで35%OFFで売り出されていたもんだから、買ってしまった鼠三部作。読了までもっと時間かかるかと思ったけれど意外と早く読了できた。 文学者の研究対象や論文になる小説なので細かい説明や解釈の考え方は置いといて、率直な感想はバカ面白かった。敬遠していたはずなのにするすると文章が入ってきて、ほぼ一気読み。そしてほぼ羊を巡る冒険の感想になってしまった。そ

          村上春樹著、鼠三部作を読んで

          ぼくはキリギリス

          寓話アリとキリギリスの働き者のアリと遊んでばかりのキリギリス、あなたはどっち?と聞かれたら僕は間違いなくキリギリス。小さな頃から今も変わらず。 だから夏休みの宿題はいつも8月の終わりになってからようやく手を付け始めて31日に終われば良い方で、学校が始まっても終わらず先生に怒られることもしばしば。その時は反省して来年は計画的にしようと決意するのだけれど、終業式を終えて僕に与えられた40日という圧倒的な質量の夏休みは僕の頭のスイッチを遊びに切り替えてしまい、勉強のスイッチはオフ

          ぼくはキリギリス

          村上春樹著アンダーグラウンドを読んで

          今から丁度四半世紀前、阪神大震災が起きた年、日本史上最悪のテロ事件が起きた。地下鉄サリン事件である。私の実家は富士山麓にありオウム真理教の信者を目にする事もあったが、当時小学生だった私にも彼らは何か恐ろしく、そして奇異な存在であり、事件後は長閑な田舎町にあり得ないほどの厳戒令が引かれ、道路という道路に検問が設置され、警察が私の実家にも聞き込みに訪れた事を覚えている。 本書は地下鉄サリン事件の被害に遭われた方のうち、ほんの何十人かのインタビューを纏めた書籍であり、元信者のイン

          村上春樹著アンダーグラウンドを読んで

          初めましての自己紹介

          こんばんは。 藤並々と申します。1985年生まれ、地方在住の極々一般的なサラリーマンです。 趣味はクライミングですが、そちらは別サイトに備忘録を設けております。 登ること以外では読書、映画、音楽、美術、要するに誰かが創造したものがとても好きで、私が読んだり見たり聞いたりして感じた事を備忘録として残したいと思うに至りました。 noteにテキストとしてまとめる事で、私の体験の備忘録が誰かの人生を少しだけ豊かにしたり、作品を手に取る一助となれば嬉しいです。

          初めましての自己紹介