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Tabi. #1979 009-12

Tabi から続く。

新聞に載るほどでも、
ネットニュースに上がるほどでもない、
事件にならないほどの
出来事はあって

そんなことで
ブログを書かない理由にはならないの
だが、

同年代が頑張っているのを
見たり
聞いたりしていると
続けていかないと
どこか嘘だな、とも思う

偶然目にしたり
この文字の羅列に
遭遇したりして
今、画面の前にいるあなたが読んでくれていることを
有難く思う

それはさておき
旅。

どうしても書いておかないと
いけないことがある

頂上に着いたことも
下山であったことも
すっ飛ばして

この島は
そもそも、星空が美しいと聞いていて
選んだ部分もあった

だから
よるに外へ出て
一番、空が綺麗に見える場所へ
むかってみた

暗い
街灯がない
人がいない
店がない

ないというのは言い過ぎで
開いてないので、ある

やっぱりここは
グーグル先生が頼りということで
足元が見えない中
坂道を登っていく
ただ暗すぎて
ほんとにその道が合っているのか
確認ができない

行ったり、
きたり
島の道は入り組んでおり
曲がる道を
間違えたりしながら進む

坂で1人の女性とすれ違った

地元の人でない空気
自分がよそ者だからわかる
そんな瞬間

きっとそらをみて
戻ってきたところなのだろう、と
いう女性
この道で合っているかもと
妙な確信

その場所で目にしたもの、
満足したのだろうかと横目で見たが
いかんせん暗くて表情は
見えんのである

とりあえず行ってみるかと
呟きながら
坂道をのぼる

どうだろう、
野球のナイターのような
灯がみえてきた

やまの向こうがわの町が
賑わっているのだろう

助かったと思いながら
夜道を歩く

広場へきた

真っ暗だ
何も見えない
ただ山の端から見える
あかりだけが頼りだ

もしかしたら
フェスでもやってるんじゃないか
そんな思いで広場の中央へ
向かった

広場といっても芝生で
なんだか小さい石にけつまずきながら
中央へ真ん中へと
進む

真ん中へきて
立ち止まる

自分がとんでもなく
大きな間違えをしていたことに
気づいた

ナイターでも
フェスでも
なんでもない

大きな月が真っ暗なそらに
浮いている
満月だ

みてるのではない
みられているかのように
おおきく
あかるく
大地を照らす

そうなのだ
今まで自分が
どこかの電気だろう、と思っていた
あの光

それは、すべて
満月のあかりだったことに
衝撃を受ける

夜が暗いことは知っていた

それは、東京だって
暗い道はある
電気がないところはある

そうじゃない

満月の明るさを
初めて知った
そんな衝撃だった

満月の夜、珊瑚が卵を産むこと
満月の夜、年いた蛾が空に舞うこと

生と死
子孫繁栄

満月の重みを
知らなかったと思う

日本人は月を愛でる民族と
いう人がいた

一気にいろんな感情が
おそってくる
足が震えてしまうほど

当たり前のことを
知らなかったことへの
感情が襲いかかってくる

知った気になることほど
恐ろしいものはない

ただ、これまで生きてきて
東京で育ってしまった自分が
しなかった
満月の明るさを
実感したように思った

呆然としてしまうというよりも
やっぱり衝撃なのだろう

夜という時間を愛し
夜という時間にいきながら
夜の住人を知らなかった

彼女は、と言いたくなるほど
やさしく
荘厳で
神々しく、
神秘的で、
冷たく

地上にいながら
宇宙を感じさせる
その存在

参りましたと思う

ふと、カメラに収めようと
スマホを構える
構えた瞬間
激痛が走った

どうやら足を何かに
やられたらしい
虫だろう

ただ、どこか自分は
「撮るな、ただ見ろ」
そう満月に言われたようで
スマホなんぞにおさめようとした自分を
恥じた

感じること
受けとること
瞬間を味わうこと

本当は、それでいいのかもしれない

ピンぼけした女王に
自分は笑われたきがした







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