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上位下位関係分析・KA法

今回はフィールドリサーチで得た情報を整理・分析するためにという観点で、上位下位関係分析とKA法をまとめる。

このあたりのフレームワークは絶対的な正解があるわけではない。(そもそも情報を整理し構造化し、問題解決に導くこと自体をデザインしなければいけない)抽象化の切り口や線の入れ方(AとBを分ける線)によって分析結果やアウトプットの質は大きく異なってくるため、基礎基本を抑えつつも、トレーニングが重要であると感じた。

上位下位関係分析

インタビューやフィールドリサーチなどで得られた事象から、ニーズを階層的に抽出する方法のこと。ユーザーの事象を上位化する作業を通して階層的なニーズに分類し、本質的なニーズを導出する方法。

上位概念とはユーザーの事象を、ユーザーの精神的な問題として捉える考え方であり、下位概念とはユーザーの事象を表層的に捉える考え方。

※個人的に以下の捉え方がわかりやすかった

階層的な3つのニーズの考え方
・Beニーズ:〜になりたい(ユーザーの本質的ニーズ/ユーザーの本質的にニーズ)
・Doニーズ:〜したい(Beニーズを実現するためにDoしたい/ユーザーの行為目標)
・Haveニーズ:〜が欲しい(Doを実現するためにHaveしたい/ユーザーの事象)

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「ユーザーにとって何が本質なのか」をさらに追求していくことが重要であり、本質は議論の延長線上にあるわけではない。(議論の延長になってしまうと、下位フェーズの「事象」をまとめて付箋を付け直しているだけともなってしまう)
議論を一つ上のレベルに上げて本質に迫っていく意識が重要。

この領域は机上の空論ではなく、トレーニングあるのみですね〜。

KA法

KA法は調査で得られた定性情報から、そのユーザーの心の声を推測し、行為の背景にある価値を導出する方法。

行為の背景にある価値とは・・・
日常の様々な出来事には、ユーザーがその行為を行う理由や価値が必ず含まれている。ユーザーが行っている「コト」がどのような価値をもたらしているか、そこに着目することが重要。

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①ユーザーインタビューで得られた特徴的な行動をピックアップし、記入する。

出来事には「〜だったので」という原因の要素と「〜した」という行動の要素、そして「〜だった」という結果の要素のうち2つ以上の要素を組み合わせて書く

②ユーザーになったつもりで、ユーザーの心の声を記入する。ユーザーの心の声が複数読み取れる場合は、その枚数だけカードを作る。

③(①と②)を手掛かりに、心の声が出る理由や意味を解釈し「価値」を記入する。「〜する価値」のように動詞+価値とすることが重要。①に書いてある内容がイメージできるくらいの抽象度で書くと良い。(抽象度を高くしすぎないように注意する)

未充足な体験価値
ユーザーインタビューでは、現在ユーザーが実現できていないネガティブな情報を得ることもある。その場合は、ネガティブな心の声をそのまま書き、価値を書く時は、「ユーザーが本来望んでいる価値を解釈して」書いていく。
その場合、現時点で未充足な状態であることを表すため「未」など記録しておく。


参考文献
UXデザインの教科書
情報デザインのワークショップ


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