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花を生けること

草月流のいけばなに出会って
すでに20年以上の歳月が流れていました。

こんなに長く続けられるとも思ってもおらず、
さらに今も続けていられるなんて
よく考えたら
きっとすごいことなんですよね。

こんなに長く続いているのは、
頑張ったからでも
努力したからでもなく
ただただ楽しいから
どんな時も元気になれるからなのです。

社中展は銀座の松屋デパートの横の道沿いにある
紙パルプ会館の5階にある
セントラルミュージアム銀座という会場。
ここでの社中展は2014年、2017年に続き、
2021 年の今回で3回目でした。

大きな広い会場での3回のビッグイベントの経験には
あまりにいろいろな思い出があって、
今は振り返るとなぜかせつない。
だって毎回毎回、めちゃめちゃ楽しかったから。

最近、歳のせいなのか、
辛く悲しいことに出会った時より、
幸せだなって感じる方がジーンと切ないような
心が震えるような感覚に陥ることが多いのです。
(それってわたしだけ?)

草月流で花を生けることは
昔と違って、
家庭で床の間を飾る花を生ける技術でも
花嫁修行のひとつでもなく、
やっぱり日本を代表する伝統文化でアートだなぁって。

不思議なことに、
花が一本でも、葉っぱが一枚だけでも、
それはアートになりうる
それが蒼月の技で
それは展覧会なんかじゃなくても
日々の生活の中の身近な草花でもアートなんです。

でも、わたしが生ける花は
やっぱりたいそうな芸術っていうものにはならず、
毎日の暮らしの中で
ほんの少し、気持ちが軽くなるような
華やかにワクワクするような
自分の好きな色や形や香りに浸るような
そんな行為なんだなぁって。
会場に飾ってみて、
みんなの素晴らしい作品の中にあって
ちょっとこれまた切ない気持ちになったりして。

アートなんて大袈裟なものじゃないなー
好きなものに囲まれたいだけだ笑
と客観的に思ったりして。

でも、それでいいんです、きっと。
だって今回もめちゃめちゃ楽しくて、
そして参加したことが幸せだったから。
だから切ない気持ち。

それってどういうことなのかな?
幸せな気持ち、その瞬間。
それはその時だけのもので
やってきては過ぎていくものだと
経験上、わかってきたってことかしら?

楽しかったなぁ、充実してたなぁって
思い出すとまたじんわり
幸せだなぁって思えてまた切ない笑

そんな心が震えるような感覚を
これからもたくさん経験して
その度にじんわりしよう。
終わらない幸せ、連続する幸せ。

花を生ければそれはきっと続いていくね。

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