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DX人事担当が見たDXプロジェクトの炎上ポイント

どうも、DX人材を発掘したいDX人事担当じんです。

仕事柄、これまで社内の多くのDX推進プロジェクトを見てきました。現場で活躍している人を観察することで、DX人材に必要な能力を抽出しようとしているわけです。

DXの定義は揉めるところですね。本来は全社的なビジネスモデル変革の話だと思いますが、昨今はBPRの延長も含めてDXと呼んだりしているかもしれません。

ただ、BPRもIT化もDXも、「既存の仕事の在り方に変化をもたらす」ことは同じ。今回はそのようなプロジェクトを推進するときによく炎上しているポイントを見つけたのでご紹介です。

仕事の「教育的価値」をないがしろにすると炎上する

業務改革のためには、既存の仕事のプロセスと価値の整理が必要です。
そして価値には、「提供価値」と「教育的価値」の2つがあります。提供価値は仕事の先にあるお客さま或いは他部署など外に向かう価値です。一方、教育的価値は組織内部の人材育成に関わる内向きの話です。

ですが、最新技術を用いることで出来る提供価値の効率化・高度化にフォーカスしすぎて、教育的価値は往々にして議論から抜けがちなことに気がつきました。外部コンサルタントやITベンダーの言われるがままに丸投げしている担当者はそこでよく失敗していますね。

「提供価値が高く・教育的価値の低い」領域は、人でやる意義がないものや人ではカバー出来ない仕事です。例えば画像認識やアルゴリズムに基づくオススメ商品の自動レコメンドなど。この領域は、AI導入することに反対する人は少ないでしょう。

「提供価値が高く・教育的価値が高い」領域は、部署の根幹を成す業務であり、その業務プロセスを人がやるからこそ強い人材が育つと思われています。研修などでは代替不可能な「人材育成に最高のOJT」というわけです。この領域にAI導入をしようとする場合、事前の整理が曖昧だと、炎上しやすいです。

人事業務で例を挙げると、採用面接のAI化、査定判断のAI化、人事異動のAI化、、、この辺りは揉めるでしょうね。人事にとって大量の面接はとても負担のかかる業務です。でも「その苦労があってこそ、人を見る目利き力がつくのである。そこを効率化してしまうと、目利き力が失われて中長期的に会社が弱くなるのではないか?」、これまでのやり方に誇りを持っている人事担当者はそう思うでしょう。

プロジェクトを炎上させないためには、提供価値と教育的価値の両面を考慮した現状整理・ToBe像作成を行うこと。現場の担当者から役員全員に共感してもらい、プロジェクトの立ち上げ時に合意をとっておくこと。さもなくば、プロジェクトが佳境になった頃にひっくり返されることになります。「そもそもこの業務はAIで自動化すべきではないんだ!」と。

どんなにコンセプトが優れたDXプロジェクトも、実行する「人」がついて来ないと成り立ちません。しっかりと現場に向き合い、働く人たちの思いを汲み取ることができる共感力。これはDX人材の必要な能力なのかなと思います。DXの先に待っている従業員の新しい働き方まで明確に描けている人は、人事としてもとても頼もしい存在です。

それでは!

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