見出し画像

アニメ「王様ランキング」の食わず嫌いを根絶したい


さいきん、Amazonプライムでどハマりしてるアニメ(現・最新話の4話まで視聴)。


絵が可愛らしい。

主人公は言葉を発せない。

世界観が、あまりに現実離れで唐突。


こんなアニメを大人が観ようと思うには、ちょっとハードルがあるかもしれない。

でもこのアニメには、めちゃくちゃ感情を揺さぶられる。まだ4話まで観ただけにも関わらず

これはもの凄いアニメだなぁと。多構造な表現盛りだくさんなアニメだなぁと。文学的だなぁと。
そう思ってます。



抜群のディテール表現

・リアルな感情描写
・各キャラクターの多面的な内面表現
・モブキャラすら表情や仕草が豊かな、没入感ある世界観
・「回想シーンが本編以上に絵本タッチに描かれる」という説得力

「絵本の世界に入ったみたい」みたいな端的な言い方じゃ収まらない。

泣いた痕跡が顔に残ってたり、遠くの背景が縁無しイラストだったり。

どこを取っても、「表現への気配り」が半端ない。

だから、突飛押しもない設定であっても、しっっっかり没入できる。


セリフ無しで、ストーリーと感情を綴る

主人公は言葉を話せない。だから、主人公の感情を読み解くには「主人公の気持ち」にならないと分からない。

でもそれだけじゃない。

主人公以外のキャラクターでも、「セリフを言わない」感情表現シーンがたくさん出てくる。

まず、「近年の商業アニメでそれをやっちゃう」っていう勇気が凄い。
キャラクターの本心が分かりにくい作品は、おそらく嫌がられるから。少なくとも、分かりやすいに越した事は無いだろう、と。
そこをあえて時代逆行的にディレクションしてるのがホントに凄い。待ってました。

そんでもって、「このキャラクターはどんな気持ちなんだろう?」って、観る側が能動的に考えるようになる。無意識に、共感覚を得ようとする。「さぁ、このキャラクターの心情を今から見せるよ」的な表現では絶対に到達できない境地。


一筋縄ではいかない、各キャラの"本当の気持ち"

登場キャラクターへの感じ方が、数話で逆転することがザラにある。

これってある意味でメタ的。

僕らは知らず知らずのうちに、時と場合に合わせてキャラクターを変えていることが多々ある。例えば職場・家族・友人、ってカテゴリーごとだけでも、立ち振る舞いが全然違ったりする。

性格や立ち振る舞い、気持ちが多面的なのは、人間の本質的なステータス。

だからアニメでこれを表現されると、すごくすごく刺さる。

「こいつ、こんなこと思ってたんか...」とか。

まるで、自分自身を見てるみたい。アニメを眺めているつもりが、自分を見つめ直す事に繋がったりする


素直でいる事の大切さ

まだ4話しか観てないから、本質的なメッセージは分からない。
でも少なくとも、「万物に素直でいる事」がどれだけ尊いか、それがよく伝わってくる。

争いなんて不要で。稼ぎ過ぎるなんて不要で。環境やルールを理由にワクワクを諦めるなんて無用で。

どこまでも、誰にでも(自分に対しても)。「寄り添うこと」を、果たしてどれだけの人が出来ているか。どれだけ社会で蔑ろにされているか。

価値観を、いっかいリセットするキッカケになるかもしれない


全てのキャラクターが愛おしい

結局これに尽きる。とにかく慈愛が沸いてたまらない。

殺伐とした現実から距離を置いて、得難い感情を手に入れられる。

こんな体験が、毎話やってくる


僕らは何に向かって生きてるんだっけ?

人間味やその人の本音は、何気ない瞬間に垣間見れるのかな。このアニメを通じてそう思った。

じゃあ現実の僕は、いったいどうなんだ?

ただの癒しアニメに留まらず、何かフワフワした、謎めいた感情が出てくる。

まだ言語化出来ない。

けど間違いなく、それは「みんなで生きる」ためのヒントになると思うんだ。

この記事が参加している募集

アニメ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?