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【インタビュー】荒波のVR市場に挑むDのエクスカリバー! 謎多きDonutsVRチームを徹底解明!

株式会社Donutsでは進化を続けるVRマーケットに挑戦すべく、2018年に「DonutsVR」を設立。2020年までに3本のゲームを開発して来ました。

少数精鋭で多国籍という特殊なチームで構成されており、
2020年4月には最新作のステルスアクションFPSゲーム「XENOCIDERS ~捕食者の星~(ゼノサイダーズ)」をリリースしました。今回はそんなVRゲーム開発部のリーダーを務めるウォンさんにDonutsVRの今とこれからについて、現在Donutsでインターンをしている佐藤がインタビューをしていきます。

■チームで一番使うコミュニケーションツールは言葉

佐藤(以下佐):始めにDonutsVRチームについて教えてください。少人数で構成されているということで、メンバーについて詳しくお聞きしたいです。

ウォンさん(以下ウ):VRチームは現在コアメンバー4人、インターン4人でゲームを開発しているチームになっています。メンバーには日本の方もいますが、例えばイタリア、ベルギー、フランス、ポーランドからも集まって多国籍なチームで開発しています。
私も出身はラオスで、日本語を学びDonutsに就職しました。

開発チームは様々な国の出身者がいますが、とても仲の良いチームで、同僚というよりも、友達といった関係の者が多く、より近い距離感で開発を行っています。
また、小さいチームということもあって、一番良く使用するコミュニケーションツールはメールなどではなく、言葉です。関係性もさることながら、コミュニケーションが取りやすいチームになっています。
チームの皆が同じ目的の完成図を持っていて、志を共にしてプロジェクト開発を行っています。

佐:なるほど、とても仲の良いチームだとお見受けできます。
では仕事以外でも交流されたりするのですか?

ウ:そうですね。お昼はよく一緒にメンバー全員で食べたりしています。
このご時世なので最近は行けていませんが、休日は一緒に飲みに行ったり、公園でサッカーをしたり、カラオケに行ったりと、アクティブに交流しています。
ちなみにお昼ではメンバー内で一番人気の代々木周辺にあるインドカレーのお店によく行きますね。メンバーが毎日交流しお互いを良く知っているのも、このチームの良い点です。

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■自分のやりたいゲーム作りが全力できるDonutsへ

佐:では、次にウォンさんご自身について質問させていただきます。Donutsにはどのような経緯で入社されたんですか?

ウ:前職は沖縄でソフトウェアエンジニアをやっていて、脳関係の研究をサポートするアプリケーションを開発していました。
そのあと、元々趣味でやっていたゲーム作りの知識を仕事でも使いたいと思って、転職しました。最初複数の会社に応募していたのですが、その中から条件が一番良くて自分が活躍できそうなところを選び、Donutsにやってきました。
特に「全員リーダー」という会社方針に惹かれて、自分のアイディアや思考をチームに共有し、世の中にインパクトを与えるということができるというところが決め手になりました。
ここなら自分のやりたいゲーム作りに全力で携われるんじゃないかと思ったんです。
また、Donutsに来る前に住んでいたのが沖縄だったので、東京に初めて来た時に社員寮を支援してくれたのがすごく助かりました。

入社直後はVR事業ではなく、無人戦争2099と、ロストキングダムというモバイルゲームのプロジェクトでエンジニアをやっていました。

無人戦争2099

佐:そうなんですね。ではDonutsVRに所属することになった経緯を教えていただけますか?

ウ:最初は社長室という社長直下の研究開発チームの挑戦として、VR マーケットに参入してみようというところから始まりました。当時は2名だけで始まり、プロジェクトが始まる時に僕が誘われて入ることになりました。

元々DonutsVRチームに入る前に何回かVR体験というのをやってみたことがあって、VRというゲーム業界の中でも最近の、それでいて独特な市場での挑戦に興味を惹かれて、面白そうだなと思ったので、参加しました。

VRゲームという、360度作られた空間で全てのものに触れ合えると言う、普段のゲームだとできないような体験を作れるというのにエンジニア魂がひきつけられました(笑)

佐:VR市場で挑戦できる会社というのも限られていますし、少人数のチームで1から開発していくと考えると、大変そうですが、その分やりがいがありそうですね。

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■ゼノサイダーズはこうして生まれた

佐:そこから始まって、2年目、2020年に3作品目になる最新作「XENOCIDERS ~捕食者の星~」がリリース、ということでおめでとうございます。このゼノサイダーズはどのような構想があって作られたのでしょうか?

ウ:ありがとうございます。構想の中でも、このタイトルの一番の特徴として注意した部分として、まずは恐怖感や緊張感、「狩られる」という感覚を重視して作りました。ハードコアゲーマー向けのタイトルになるよう、チャレンジした作品です。
前のプロジェクト(ロボット探偵ミスターハックジャック)ではライトプレイヤー向けに作成していました。この作品でユーザーの皆様に多くのポジティブなフィードバックをいただいて、その中でDonutsVRのよりハードコアなゲームも遊んでみたいという意見をいただいて、そこから今作の構想が始まりました。

ハードコア的なコンテンツといっても、ただ難しいということではなくて、より多くの操作、例えば移動の仕方、物のつかみ方など色々ありますが、よりアクティブに体験できるゲームを作ろう、ということです。FPSやステルス要素、広大なマップや多彩な武器はこのような考えから作られています。そのおかげで数あるVRゲームの中でも、より自由に自分のスタイルでゲームを遊べるようにすることができました。

佐:では中々挑戦的なタイトルだったんですね。元々ハックジャックとラストレターの2作品は謎解き要素が強かったと思うのですが、今作は自分で探索するタイプのFPSゲームということで、激しい動きが多かったり、マップがより広くある必要があったと。

■「恐怖感」を伝えることの難しさ

佐:初めてのハードコア向けゲームということで、一番苦労した点は何ですか?今までの作品のノウハウが通用しない部分とかあったのでしょうか?

ウ:そうですね、やはりゼノサイダーズの最も重要な部分である「恐怖感」を伝えることの難しさとゲームの設定や環境構築というのが一番課題になっていました。
どんな動物でどんなデザインで、どんな動きをする敵なら、緊張感と恐怖感をミスマッチなく伝えられるのか。それでいてVRゲームの中でも新しいものを作る。そこら辺の技術面やデザイン面が一番苦労しました。
ゾンビやゴーストはありふれていましたし、虫はVRゲームなんかでは特にそうですが、ユーザーの多くの方に受け入れられ辛い。そんな中で、原始的な恐怖を含みつつ、現実に近くにいたら緊張感や恐怖を肌で感じる存在として「恐竜」がいいのではないかと、上がったわけです。
恐竜は、恐怖感や緊張感を持ちながらそのフォルムにカッコよさやロマンを内包しているから、今回のゲームデザインにぴったりだったんです。

佐:なるほど。ゼノサイダーズのコンセプトと、ゼノサウルスが生まれる経緯にはそんなことがあったんですね。

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■DonutsVRは全てゼロから作られた

佐:では、DonutsVRについて、さらに深堀りさせていただきます。VR事業は先程、チャレンジングな企画として始まった、とお聞きしました。1作品目を作る時、かなり苦労した点があったんじゃないでしょうか?

ウ:そうですね。「ラストレター」というゲームからDonutsVRは始まりましたが、その開発には大変な点が山ほどありました。本当に基本的な操作や作り方の所からの挑戦だったので、VRで動かすための技術もノウハウも全くなく、色々とゼロから始めたのですごく苦労しました。
しかも、当時はチームにゲームデザイナー経験者がいなかったので、開発の中でもデザイン面は特に難しかったです。「ラストレター」は私がゲームデザイナーの流れを一から勉強してなんとかやりきることができました。最初のプロジェクトということもあって、最低限の人数で、短期間でやるということが最初期のVR事業部の目標だったというのもありますね。そういうこともあって最初のラストレターは約3ヶ月間で開発しました。VR開発で考えるとだいぶ早い開発期間だと思います。ノウハウのない技術面上の課題を乗せると、もっと難しかったです。

ハックジャックも3~4か月での開発でしたし、その点、今回のゼノサイダーズは開発期間8か月という最長期間の開発になりました。前作のハックジャックの評判が良く、ゼノサイダーズは一度ひと通り作ってから、もう少し時間とコストを掛ければ、より良いゲームができるんじゃないか、という話が出て、開発期間が伸びました。おかげさまで、よりクオリティ高く、内容の濃いゲームを作ることができました。

佐:なるほど。開発期間の分、大作ができたということですね。今回はそういった点もチャレンジングな部分だったのですね。

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■トレーラーの裏話

佐:ゼノサイダーズのゲームトレーラーを見たのですが、迫力あるゲームカットの最後に恐竜が美味しそうにプレイヤーを食べるシーンがありますよね。この緩急が個人的に好きなんですが、あのトレーラーの制作で何か気をつけた部分はありますか?

ウ:トレーラー自体はゲームのプレイ動画のカットをうまく繋いで、ゲームの特徴をできるだけ短い時間で伝えられるように工夫しました。最後のシーンはかっこいいシーンの連続に少しだけ面白さを入れたいと思ったので、加えたんです。「実食」って単語もチームの日本の方に考えてもらって、インパクトが強く、面白さもある、良い動画に仕上がりました。
Youtubeに投稿したものも、評判がよかったです。

佐:なるほど、自分はあのトレーラーで心をがっつり掴まれましたね。

■誰もプレイしたことのない体験を

佐:では、DonutsVR の今後について教えてください。どのように展開をしていくのでしょうか?

ウ:今作のゼノサイダーズでこのチームはコミュニティとゲーム作りのノウハウ、チームの最適な動き方のノウハウを付けることができたので、それを踏まえた、より新しいゲーム体験、みんなが楽しめ、そしてさらに独特なものを作るという方向性になります。

なのでプレイヤーの皆さんが今までプレイしたことのないようなタイトルを作っていくというのが次のDonutsVRの目標です。
少し具体的に言うとすると、新ジャンルというより、従来のものと新しい発想を組み合わせて、新しい体験を作るというモノになります。
今までのVRゲームで体験したことのないようなことができるものを作っていきたいと思っています、是非ご期待ください。

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■自分の発想を自分で表現できる魅力

佐:Donutsという会社の魅力とは何でしょうか?

ウ:自分の発想を自分で表現できるところがすごく魅力的です。実力や実績を会社に見せることができれば、新たな挑戦に出たいという申し出にも、挑戦する機会を与えてくれるというところがこの会社の強みだと思います。

佐:ウォンさんが入社した時、「僕はDonutsのエクスカリバーになる」と 全社員の前で言い放ったと聞いたのですが、その夢は叶いそうですか?

ウ:VRの経験で社内でも鋭い剣になっていっていると思います。今度は今までの経験で培ったエクスカリバーを自分自身が勇者になって振るっていきたいです。中二病的ですが、ゲーム業界を変える作品を作る、DonutsでVR業界のトップを目指すということをやっていきたいです。

佐:なるほど、今からとても楽しみです!では最後に一言お願いします。

ウ:このご時世ですから、手洗いうがいを忘れないように気をつけてください(笑)


以上、今回はDonutsVRの情報をお届けしました。
引き続き「ゲームのDonuts」として、ゲーム事業の文化や情報をnoteで伝えていきます。

Donutsのゲーム事業の詳細はこちら!
https://www.donuts.ne.jp/products/games/

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