優良物件なのに好きになれなくてやけ酒して女2人でラブホに泊まった話

4つ上で国家公務員車持ちで性格も仏の、絵に描いたような好物件のお相手に拒絶反応が出てしまって今度こそ幸せになるんだと意気込んでいた女の情けない一夜の日記があったので…

もうよく分からないよ2020/11/21

もうなんかよく分からないよ

3回目？くらいのご飯に行って、嘘をついて逃げるように帰った

ご飯は美味しいのに、普通にいい人なのに、

この状況全てから逃げ出したかった

取り立てて非はないのに、素でいられるのに

追いかけるような不安がロースターから煙になってむくむく育つ

嬉しいのに、女としての好意が怖い、自尊心の山に釘を刺すような

永遠に肉焼けないでいてくれ、手持ち無沙汰になる

生のジョッキを飲み干すのに2時間もかかった、一滴もアルコール回らずに

とにかく、相手が悪いとかじゃなくて自分の醜さがもう漠然ととても怖くて逃げたくて

めちゃくちゃ誰かに突き放された時とか振り回された時より、

誰かを遠ざけたり、誰かから離れていくときの方が孤独を感じるんだな

来週ここ行かない？

液晶が映し出す「夜景を楽しむディナークルーズ」どんな顔をしているか確かめることもできずに

嘘をついて反対を選んだ帰り道の、マンホールに落ちる、浅草

しばらく前から行方不明のワタシは、結局誰とも向かい合えないまま

下水を流れるのは過去、過去、過去、

こびりつく暴力的な記憶たち

痩せていく心臓と震える鳥肌を切り取る、まだ少しぬるい11月の夜風

あ、独り
なんかやばい、ダメだ

出来心で呼び寄せてしまった友達と、日付を回った新宿で寿司を食べる

ごめんね、
あっけらかんとした剥き出しの救いに掬われる、どうしようもないよほんと

ご飯食べたばかりなのに、驚くほどはっきりとした食欲、そういえばろくに食べていなかったか

ふられたわけでもないし、むしろ傲慢なのに何に傷ついているわけ？

結局かなしがって迷惑をかけるのね

いたいけな明るさも強さも手放していいですか元からないし

かねない女二人で泊まる三丁目のラブホ

なんてことないここはバリ

化粧そのままでベッドにダイブ

ファンデーションはマットがタイプ

堕落に堕落を重ねる速度

加速していく感染者、毛穴から漏れるためいき、朝だー

ハニートーストよりハニーな奥さんが俺らの朝飯血糖値超えてイっちゃお〜

てか一生口くさい焼肉屋のネギキムチ