私とハロプロの話 16 卒業後の彼女と私
金澤さんは卒業してからも、たまにインスタを更新して近況を報告してくれた。
本当にたまにだったけど、彼女がどこかで生きているということを知ることができ、それだけで嬉しかった。
しかし。
2022年の5月半ば。
5月末をもって金澤さんが芸能界を引退するとの発表があった。
本人の引退のコメントと読むと、やはり持病の件が深く関係しているようだった。
まだ歌いたい気持ちがありこの結論に至るまで非常に悩んだ、といったことが書かれていた。
卒業後の活動が楽しみであったためショックを受けたが、その反面彼女の体調や今後の人生を心配する気持ちもあったので
「しかしこれが1人の人間として、1人の女性として、深く考えて導き出した答えです。」
という彼女の言葉を読み、少しホッとした。
彼女にとって最善の選択であったことがわかり、嬉しい気持ちでもあった。
推しとはいえ1人の人間として、女性として彼女が大好きだったから。
彼女が幸せに生きてくれることが一番なのだ。
そう思わせてくれる彼女でよかったし、そう思える私でよかったと思った。
こんな素敵な女の子をおよそ6年間応援できたことは私の誇りで、彼女を応援していた日々は全て素敵な思い出として焼きついている。
今でも部屋には彼女のグッズをたくさん飾っている。
今のJuice=Juiceのメンバーは10人。
私が好きになった頃は5人だったのにな。
あの頃とはもう違うグループになったといっても過言ではない。
私が好きになったあの頃のメンバーはもう1人しかいない。
そしてその1人も、間も無く卒業する。
長年続くアイドルグループというのは加入と卒業を繰り返し、時代に合わせて形を変えて存続していくもの。
グループが長く続き歴史があることもまた素敵なのだけど、私としてはあの5人でできるところまで突っ走って解散してほしかったなあ、悔しいなあというわがままな気持ちが大きかった。
オタクは与えられたものを享受し今ある状況を受け入れて応援するのみ。
それができないのであれば、自分から離れるしかないのだ。
というわけで私は、金澤さんが引退してからはそっとハロプロから身を引いた。
今はごくたまに新しい情報を見たり、好きだったあの頃の動画をながら見したりする程度だ。
今のハロプロに関しては完全にわからないことだらけで、私も歳を取ったのだなあと感じる。
今の私にも好きなものはちょこちょこあるが、あの頃のハロプロのように毎日がそれ一色というほど夢中ではない。
あんなに好きなものに出会えたことは奇跡的なことだったのかもしれないな。
またいつかあれほど夢中になれる何かに出会えればいいなあと感じ、そんなものに出会えることを楽しみにしながらこれからも生きていこうと思う。
終わり
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