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竜宮神曲。

私の母は6人兄弟でした。
本当は7人兄弟だったのだけれど、ひとりは死んでしまったのよ、と母は私に言いました。
死んでしまった母の兄弟というのは長男で。
祖父母はその長男とともに、船で朝鮮から日本に渡ってきました。
船から降りて、自分たちを運んできたその船が母国に戻っていくのを見つめていたとき、それは起こったのです。
今まで聞いたことのないような大きな音が鳴り響きました。
それはその船の出航を合図する汽笛でした。
祖母の腕に抱かれていた赤ちゃんは、その汽笛の音とともに痙攣を起こして、そしてそのまま息絶えてしまった。
祖母は最後まで、「港には二度と行くものか。」と言っていました。

母の兄弟のひとりに、宗崇さんという私の叔父さんがいます。
宗崇、と書いて「そうしゅう」と読みます。
宗崇おじさんは髪の毛がとても薄くて、その髪の毛を右から左にぺたーっと貼り付けて、バーコード状というよりも、なにかこう別の国からやってきたまるで違うセンスの持ち主のような人です。
とてもシャイなのに、人一倍心が優しい。だけれど、それを伝える術を知らない宗崇おじさん。
でもそれはそれでいいのだと思います。伝えるのではなく、伝わっていくのだろうから。

宗崇おじさんにはふたりの子供がいます。
まさはるくんと、りみちゃん。
お兄ちゃんのまさはるくんは、ちょっと特別な男の子でした。
妹のりみちゃんはとてもしっかりもの。お母さんのお手伝いをいつも進んでする女の子。
でも、いったん怒ると電波のような金切り声で叫んで泣いて、みんなを困らせるということも少なくなかったけれど。
彼女が泣くと夜烏が集まってくる、とご近所で囁かれていたとか、いないとか。

私は幼い頃、親戚や祖父母の家に預けられることが多くて。
宗崇おじさんの家にも、もちろんお世話になっていた。
その家は名古屋のどこだっただろう。
今では取り壊されてしまったと聞いたけれど。
家の前には小さな公園があって、そこでみんなと朝も昼も、夜ごはんの時間だよ、とまさはるくんのお母さんが呼びに来るまでずっと遊び続けた。
遊具なんて少ししかないその公園で、缶蹴り、ゴム飛び、追いかけっこ。
それはとてもとても楽しくて。


まさはるくんは少しだけほかの子と違っていて。
小学校では特別なクラスに入ることが前提で入学が受け入れられ、そのことに納得がいかない宗崇おじさんと奥さんは家の中でもよく話し合っていました。


まさはるくんはほかの子とはちょっとだけスピードも声の大きさも違うけれど、私は彼のことが大好きだった。
従兄弟というだけで、いつまで自分の家に泊まるのかまったく分からない私にも、屈託なく一緒に遊んでくれたし、寝付けない夜もお布団の中でかたつむりになったり、象になったり、いろんな生き物になりきって一緒に遊んでくれた。
疲れて眠りこけるタイミングも私たちはよく似ていた。
まさはるくんの妹、りみちゃんとは一緒にぬり絵をしたり、髪の毛を梳かして三つ編みを結び合ったりして、女の子ごっこを満喫した。
ただ、りみちゃんも宗崇おじさんたちのように、ときどき悲しそうな顔をすることがあった。
お兄ちゃんのまさはるくんが急に大きな声を出したり、はさみで自分の手のひらを切りつけたり、てんかんを起こして舌を噛みそうになったりしたときだ。
そんなとき、りみちゃんはぎゅっと自分の手を握って、部屋の隅っこで体育座りをして、何も言わずにじっとしている。
まさはるくんが舌を噛み切らないようにと宗崇おじさんたちが慌てて彼の口にタオルを詰め込む姿は、りみちゃんにも私にも恐ろしくて、そして悲しかった。


ある日、公園で遊んでいるときのことでした。
遠くの空に大きくて真っ白な入道雲。
まさはるくんに、「見てー、あの雲。地面から生えてるみたい!」と私が言った。
まるで、本当に地面から竹の子のように、にょきっと雲が生えているように見えたのだ。
まさはるくんはぴょんぴょんと何度もジャンプをして、その雲がどこから生えているのか確かめようとする。
「きっと、もっと向こうまで行けばどこから雲が生えているか見えるよ!」私たちは勢いよく走り出した。
りみちゃんはそこにいなかった。
お母さんとお買い物に行っていたのかもしれないし、遠くまで行ってはいけないという言いつけを守ったのかもしれない。

私とまさはるくんは雲に向かって走った。
まさはるくんは感極まったような大きな声で何かを叫びながら、飛び上がったり、自分の胸や顔を思い切りぱしんぱしんと叩いたりしながら走り続ける。
まさはるくんは鳥だ。
まさはるくんは恐竜だ。
高揚する気持ちを爆発させて走るまさはるくんはかっこいい。
雲のふもとまで行こう。
私も力いっぱい走る。
まさはるくんの背中を追いながら。


雲の生えている場所には辿り着けなかった。
走って、笑って、のどが渇いて、そこがどこなのか分からなくなってふたりで泣いて、そしてまさはる君が電信柱によじ登って言葉になっていない何かを叫びだしたころに私たちは保護された。
交番でお巡りさんが差し出してくれたジュースを飲む。
「大丈夫だよ、もうすぐお父さんが迎えにくるから。」と言われて、ほっとした。そして甘いジュースを飲んだらなんだか私もまさはるくんもうとうとと眠たくなってしまった。
「眠たいね。」と二人で首をかくんかくんと落としながら、睡魔と戦った。

迎えにきた宗崇おじさんと奥さんは二人して涙を目にいっぱい浮かべながら「ご迷惑おかけしました。」とお巡りさんに頭を下げた。
そして宗崇おじさんは真っ赤な顔でこちらを睨んで、「てんかん起こしてたらどうなってたと思うんだ!」と怒鳴って私の頬を思い切り叩いた。
堰を切ったように私もまさはるくんもその場でわぁわぁ、と泣いた。鼻水も涙もたくさん出た。



しばらくして、親族会議が開かれました。
議題はまさはるくんの今後について。

小学校に入学しても普通学級に入れてもらえないまさはるくん。
静かにじっと座って授業を受けることは至難の業だ。
学校を飛び出して、そのまま帰ってこない恐れもある。
このままではよくない。
さて、どうしたものか。

祖母が言うことには。
まさはるくんにはちょっとだけ特別な鍵がかかっている。
その鍵を開くことは祖母にはできない。
でも、ひとりだけ心当たりがある。
新城の山奥の鳳来町というところに、有名な祈祷師が住んでいるという。
その祈祷師になら、まさはるくんの鍵を開くことができるかもしれない。

祖母とその祈祷師は、朝鮮から日本に渡ってきたときの船が同じで、そこで知り合いになったのだそうだ。


なぜだかそのご祈祷の場に私も同行することになった。
「なんでそんなにバカなの?誰に似たらそんなにブサイクなの?祈祷でもお祓いでもなんでもしてもらって、いいところにお嫁に行けるようにしてもらいな。」と私の母が言いだしたからだ。

ホステスの仕事明けで、香水と煙草の匂いが入り混じった母に連れてこられた私。
宗崇おじさんと奥さん。
まさはるくん。
いつでも真っ当な意見でみんなをまとめる家族で唯一まともな叔母。
祖母。
みんなを乗せたワゴン車が山奥を目指す。

まさはるくんは朝からハイ・テンション。
ティッシュを細かくちぎってそれを車内に撒き散らし、「ホッカイドー!」とか、インターで買ってもらった缶ジュースを飲みながら、その缶の穴に巧妙に舌を差し込んで「この缶、引っ張ったら僕の舌、ちぎれるかなー!」と絶好調である。

高速を降りて、そしてそこからまた険しい山に入って、ようやく辿り着いた鳳来町というところは少しだけ名古屋とは違う空気が流れていた。
何匹もの猿が、あちらの木々からこちらの木々へと大きく両手を使って器用に移動している。
ときどき私たちを威嚇するように歯を剝いてきーっと怒ったような顔をする猿もいる。
まさはるくんはさっそく猿になりきって、顔を真っ赤にして枝から枝に飛び移ろうとする。
そしてばきばきと枝を次々と折り、勢いよく転んでは、弾けるように躍動し、湯気が出そうなほどに興奮している。



そうやって、ようやく私たちはその場所に辿り着く。
ご祈祷をしてくれるというその場所を、私は絵本で見たことがあると言い張った。
新城の山奥のお寺が絵本に描かれているはずはない、と母は私に言った。
だけど、そこは絵本で見た世界にそっくりなのだ。

その神聖な場所は、まるで竜宮城のようだった。

さっき私たちにお茶を運んできたあの人、あの人の本当の姿はきっと魚かタツノオトシゴだよ。
このお座布団は珊瑚かワカメだ。ねぇ、本当だよ。
海の中の生き物が全部化けているんだよ。
私はまさはるくんにそっと耳打ちする。

奥から、この竜宮城でいちばん偉い乙姫様が出てきた。
その、のっぺりとした顔を見て、私は悟った。
この乙姫様はきっと。
エイかヒラメだ。


祖母が乙姫様に頭を下げた。
「どうか、孫のまさはるをお救いください。普通にしてやってください。」

乙姫様はまさはるくんのほうを向いて、
「きみは本当はとても賢いんだよ。」と言った。
それを聞いた母は、ずいっと前に出て、「私の娘はどうでしょうか?」と尋ねた。
乙姫様は私の顔をじっと見た。そしてこっちにいらっしゃい、と手招きをした。
乙姫様は私の手を取って、ふむふむと手相を見た。
「この子は生まれてすぐに何度も人生が変わりました。これ以上はこの子の人生を大人が勝手に変えてはいけません。これからいろんなことを経験しますが、それはこの子にしか経験できないことです。よいことよりつらいことが多くても、この子はひとりきりになることはありませんよ。大丈夫です。」
母は「あぁ、なんとなくそのとおりです。私が離婚したので、この子も名字が変わりましたしね。」みたいな曖昧な返事をして、そしてどこかがっかりした様子だった。


空気を読まない母のおかげで、後回しになってしまったまさはるくんのご祈祷がようやく始まった。
別室でそれは行われたので、どんなふうだったのかは私は知らない。
ご祈祷が終わって戻ってきたまさはるくんは、なぜだかふにゃふにゃと体が柔らかく、ほわーん、ぽわーん、とした顔をしている。

「息子は治ったんでしょうか?学校も普通のクラスに入れますか?」
と宗崇おじさんが乙姫様に尋ねた。
みんな、その答えを早く知りたいのだ。

乙姫様はふふふ、と笑ってまさはるくんを見つめる。
みんなも、じっとまさはるくんを見つめる。

そこには、あくびして祖母に抱っこをせがむまさはるくん。
いつもとまったく変わりのない様子のまさはるくんがいた。

「お祓いと祈祷は済みました。治ったかどうかなんて誰が決めるんですか?それは私にも分かりません。本当は誰にも決められないのです。人は千種万様。普通だなんて、本来は寂しいこと。彼はこれから成長します。あなた方が彼を守って、そして大らかに育てなさい。」


千種万様って言われたら意味なんかないじゃないのよ、と帰りの車中で宗崇おじさんと奥さんが怒っていた。
祖母はインターで買ったイナゴの佃煮が甘すぎる、と文句を言い。
私の母は「神頼みって紙一重よねー。」と笑った。
叔母は「やっぱりこういうのって時期がこないと治らないと思うわ。それに男の子なんて、やんちゃで手に負えないくらいがいいのよ。だからまさはるは最初から病んでなかったのよ。」と宗崇おじさんと奥さんを宥めた。



「わー、虹だ!みんな見てー!虹だよー!」
まさはるくんが、さっきまで私たちが居た場所、鳳来町のほうを指差した。
そこにはとても大きな虹がかかっていた。
祖母はその虹に向かって、「ありがたい。これが答えじゃな。」と呟いて、両手を合わせた。
車を停め、鳳来町に大きく架かった虹をみんなで拝んだ。

そして私とまさはるくんはそれぞれの母親のひざに頭を埋めて、山の中を自由自在に移動する猿たちのことを思いながらぐっすりと眠った。

まさはるくんの通知表はどの学期もずらりと1が並んでいたけれど、翌年の小学3年生のとき、 普通クラスに編入した。
授業も最後まで椅子に座ったまま受けることができるようになったし、衝動に駆られて突然走り出してしまうこともなくなった。
家では妹に本を読んであげたり、宿題を手伝ってあげるとてもいいお兄ちゃんぶり。りみちゃんも電波のような声で夜烏を集めるようなことはなくなった。


まさはるくんが中学2年のとき。
担任の先生から宗崇おじさんと奥さんが学校に呼び出された。

「まさのりくんの成績が突然、学年で上位になりました。これは言い難いのですが彼の成績はこれまで、ご両親もご存知のとおりあまり良くありませんでした。でも、あまりにも今回、テストの結果が良いものですから。お家で何か特別なことを始められたのかと疑問に思いまして。」

先生は答案用紙に記入された名前を何度も見直したことや、追試をさせてみるべきか、とも考えたこと、カンニングを疑う余地もなく、全科目において彼が楽しそうに問題を解いていた姿をどの先生も見ていたことを話したそうだ。
そして、最後に。
「いったい、彼に何が起きたのでしょう?」とまさはるくんの両親に答えを求めた。


宗崇おじさんはそのときのことを何度も何度も嬉しそうに話す。
大晦日は親戚一同みんなが祖母の家に集まって年越しをするのだけれど、みんな酔いも回ってきたな、という頃合で宗崇おじさんがこの話を決まってするのだ。
翌年の大晦日の夜も。
きっと昨年の大晦日の夜も。
「あの時、ご祈祷してもらって本当によかった。帰り道の虹がその答えだったんだ。」
何度話しても、何度聞いても。
それは宗崇おじさんにとっての幸せな神話。
帰り道に見たあの虹が答えなのだ。



まさはるくんは、ある日突然にすべてのことが分かったのだといっていた。
文法も方程式も、いろんなことがすっと頭に入ってきて、勉強が楽しくて、図書館の本もたくさんたくさん読んだよ、と教えてくれた。
成績の悪い私が、「私もご祈祷してほしかったよー。」と悔やむと、
「あの時、ご祈祷代をケチったばかりにうちの娘は頭も性格も悪いし、どうせ人生知れてるわ。」と母が嘆いた。


まさはるくんは有名な高校に進学して、そしてそのまま大学にも進んだ。
「推薦入学ってやつはお金があんまりかからなくていいなぁ。まさはるは親孝行だ。」と宗崇おじさんは嬉しそうだった。


まさはるくんは大学を出た後、養護老人ホームでの仕事を選んだ。
「僕、スーツを着て働いたり、高収入を目指したりとかは興味ないんだ。お年寄りが好き。お年寄りもなんだか僕をとても気に入ってくれるから、僕はこの仕事が大好きだよ。」といつだったか私に話してくれた。

私の母のお葬式と、祖母のお葬式にはまさのりくんが受付をした。
なんともいえない品の良さと優しさが滲み出たまさはるくんの受付はとても素晴らしかった。
お香典を受け取るときの彼のお辞儀の角度だとか、そっと静かに微笑むところなどは憎いくらいに完璧だった。
彼がそこに立っているだけで、お葬式の緊張と疲労、悲しみまでもが和らいでいく。
お葬式に参列してくださった人たちから、「あの受付の方、祭儀場の社員さん?」と何度か尋ねられた。
私の従兄弟ですよ、と答えるたび、「まぁ、私のお葬式もあの方に受付をお願いしたいわ。」とか「まるであの方、皇室の方みたいねぇ。」と感心されたりした。



鳳来町のあの竜宮城で、まさはるくんは乙姫様からこっそりと秘密の玉手箱を受け取っていたんだ。
そしてあるタイミングでその玉手箱は開かれたのだろう。
その紐を解いたのはまさはるくん自身だ。
まさはるくんは間違っていない。
きっと彼にとってふさわしいタイミングでその玉手箱を開いたのだと思う。
祖母が言っていた「鍵」は、竜宮城でしか受け取ることのできない玉手箱のことだったのかもしれない。


浦島太郎になったまさはるくんは、受け取った玉手箱の代わりに、あの竜宮城に自分の何かを預けてきたままなのかもしれない。
竜宮城の乙姫様、鯛やヒラメのお使いたち、珊瑚やワカメのお座布団。
今、あの人たちはみんなどうしているんだろう。
竜宮城は今もあの場所にひっそりと残っているんだろうか。
それとも。
まさはるくんが介護している施設の入居者たちは、もしかしたら姿を変えて現れたあのときの乙姫やお使いたちなのかもしれない。


母のお葬式が済んだ後、私はまさはるくんとドライブをした。
アウトレット・モールで買い物をして、カフェでケーキを食べた。
お葬式の受付をしてくれたことへの感謝の気持ちで、「なにか欲しいものがあったら買ってあげるよ。」と私が言うと、
「ありがとう。でも僕はセンスもないし、洋服に興味がないんだよ。だけど、こうやって並んで買い物してると、不思議だけどなんだか照れちゃうね。子供の頃はしょっちゅう一緒に遊んでたはずなのに。」と彼はただ笑うだけだった。


ケーキを食べているとき。
あの竜宮城の話をしてみた。
ねぇ、覚えてる?あの新城の山奥のご祈祷してもらった場所。
猿がいっぱいいてさ、おばあちゃんも宗崇おじさんも私のママも、みんなで一台の車に乗って行ったときのこと。帰り道に大きな虹がぱーっと出てさ。

まさはるくんは首をかしげて、「うーん。それがまったく覚えていないんだよね。お父さんはよくその話をするから、聞いてはいるんだけど。子供のときの記憶があまりないんだよ。中学校のときに、朝起きたらぴかーっとすごく頭が冴えて、身体も軽くて。そこから急に勉強も分かるようになって。でもそれより前のこと、よく思い出せなくて。」

入道雲を追いかけて迷子になったときのこともやっぱり覚えてないんだ、っていう。

「なんにも覚えてなくてごめんね。まるで記憶喪失みたいだよね。」とまさはるくんは少しだけ困ったような顔で言った。
「でも、あなたはとても親孝行で、とても素敵に成長したよ。」
まさはるくんは頭を掻きながら、真顔で言う私の言葉に照れていた。

店内に流れていたBGMを、私この曲大好きなんだ、と言ったら。
「僕も好きだよ。だけどぼくは誰の歌なのかも知らないんだ。勉強ができたって、こんなにきれいな曲のタイトルも知らないなんてだめだよね。」とまさはるくんがまた頭を掻いた。
ビートルズのイン・マイ・ライフっていう曲だよ。
覚えておいてね。
今のあなたは記憶力がいいんだから。と、私たちは笑った。


いつだったかきみと入道雲を追いかけた日を、きみが忘れていたってかまわないんだ。
でもこの曲のタイトルは忘れないでいてね。

この曲、大好きなんだよ。
ビートルズのイン・マイ・ライフっていう曲だよ。

まさはるくんはきっと今日も。
ロイヤルファミリーのような物腰と笑顔で、真面目にご老人のお世話をしていることでしょう。
私たちが追いかけた入道雲。
鳳来町の竜宮城。
大きな虹。

イン・マイ・ライフ。

There are places I remember
All my life, though some have changed
Some forever not for better
Some have gone and some remain
All these places have their moments
With lovers and friends I still can recall
Some are dead and some are living
In my life I've loved them all

人生を通して
思い出す場所がある
移り変わったもの
そのままのもの
よくならないもの
消えてしまったもの
残っているものもあるけれど
こういう場所に意味があるんだよ
忘れらない恋人よ
懐かしい友人よ
亡くなってしまった人
生きている人
人生でみんな愛していたよ

But of all these friends and lovers
There is no one compares with you

友達や愛した人はいるけれど
君と比べられる人はいないんだ



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