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1.5 統一教会はカルト(なのか)

本章のメインといえる項目です。
本書の最初から繰り返し扱っている通り、統一教会はどう見てもカルトです。
国内では霊感商法のみがクローズアップされますが、それは統一教会の危険性の一部です。
南米では広大な土地を購入し、麻薬・武器ビジネスに手を染めている、という情報(*注)もあります。
パラグアイのエミリオ・カマチョ上院議員(2004年当時)が「文鮮明の宗派はマフィアである。政府の支配を覆そうとし、事実上、国家のなかに国家をつくっている。」と証言しています。

このことから、本書1.3統一教会の加害性 を引くまでもなく、「統一教会はカルト」と一発で断言できるので、納得できる方は、本項目を読む必要はありません。

ただ、世の中に蔓延する誤解を一つずつ丁寧に潰す、という目的もあるので、以下、前項目1.4 カルトとはなにか からの流れを踏襲し、順番に話を積み上げていきます。

「統一教会=カルト」認定に”カルトの定義”は必要ない

「統一教会はカルトなのだろうか。カルトの定義ってなに?」

ということは、反・反統一教会陣営の方でなくとも、素朴な疑問として口にする方がたくさんいます。
いわゆるこの手の無知な方々に対して、もっともコストのかからない“効率的な”答え方をツイートしたことがあります。以下、引用します。

この内容とリード文を合わせて結論とし、本項目を閉じてもいいくらいなのですが、もう少し説明しましょう。

「宗教」「カルト」「統一教会」の関係を集合図で把握する

前項目で触れた「カルトは宗教ではない」と発言する人、あるいは「統一教会は宗教ではない」といった発言をする人が、いったいどこまで厳密なことを考えているのかはわかりません。

そもそも、世の中にはさまざまなカルトの形態があり、スティーヴン・ハッサン『マインド・コントロールの恐怖』の分類を借りるならば、

・宗教カルト
・商業カルト…マルチ商法など
・政治カルト…赤軍派など
・教育・心理カルト…自己啓発セミナー等

などがあります。

最近ではこれに

・スピリチュアルカルト
・芸能人(有名人)サロンによる啓蒙カルト

などを加えてもよいでしょう。

これらの詳細分類を合わせて考えると、話が複雑になりすぎるので、
前項目では「宗教カルト」に絞って説明しました。
本項目でも、とりあえず「宗教カルト」に絞って説明を始めます。

おそらく、「カルトは宗教ではない」と言う人も、厳密には「宗教カルトは宗教ではない」ということを言いたいものと思われます。

ややこしくなるので以後、「カルト」というと原則として「宗教カルト」を指すものと思ってください。(ただ、商業カルトの話があとで出てくるので、この分類は頭の片隅に覚えておいてください。)

厳密に考えるには、集合図をイメージするのがよいでしょう。

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