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古代エジプトのミイラ新天地で公開始まる

4月3日、カイロのタハリール広場にあった考古学博物館から、22体のミイラが引っ越しをしました。「THE PHARAOHS GOLDEN PARADE」と題して行われたセレモニーは、コロナ感染予防のために無観客でしたが、その様子は各国のマスコミによって、大々的に伝えられました。古代エジプトの衣装をまとった人々の葬送行列、温度や湿度の管理された特別車両など、テレビの画面からも政府の力の入れようが感じられたものです。移転先の国立文明博物館内では、シーシ大統領が出迎え、オーケストラの演奏やオペラ歌手の歌唱で盛り上げたとか。

国立文明博物館での展示が始まる

ミイラの安住の地に定められたのは、考古学博物館から5kmほど南にある国立文明博物館。2017年にプレオープンしていましたが、いよいよミイラの公開で、グランドオープンとなりました。

ミイラは地下に展示されます。

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地下に潜っていく感じが、なんだかルクソールにある「王家の谷」みたい。

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ミイラホールのエントランスでは、スクリーンに映し出されたミイラが出迎えてくれます。おお、これはなかなかの仕掛けです。

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ミイラの展示スペースは850平方メートル。現在展示中のミイラは20 体ですが、修復が終われば22体が揃い、また他で展示してあるミイラなども移送する計画があるとか。ミイラの一大展示スペースになりそうです。
王家の谷のように、ひとつずつゆっくり⾒学できます。アメンヘテプ2世とトトメス4世のミイラの傍らには、船やウシャブティなどの副葬品も展示されているとのことですので、発掘当初の雰囲気が味わえるかもしれません。

インフォメーション(2021 年4 月現在)

開館時間9:00〜17:00(⾦曜日のみ夜間展示あり18:00〜21:00 )

料⾦ EGP200  カメラ券EGP50(フラッシュ禁⽌、ミイラ室撮影禁⽌)スマホでの撮影は無料 、自撮り棒使用料EGP20、三脚使用料EGP30

イヤホンガイドEGP30 

オフィシャルサイトにてオンラインチケット購⼊可

https://nmec.gov.eg/

正面

今後、カイロの博物館は、タハリール広場にある考古学博物館、ツタンカーメンの秘宝が展示される予定の大エジプト博物館(ギザに建設中、2021年秋以降の開館予定)とともに、3館体制となります。


国立エジプト文明博物館 その他の展示

国立文明博物館は、古代エジプトだけではなく、先史時代から19世紀まで幅広く展示しています。

メインホールは、先史時代から古代エジプト、グレコローマン、コプト教、イスラーム、近代までの展示が1 フロアーにまとめられ、広々とした雰囲気。日本人建築家 磯崎新氏も展示企画にかかわったモダンで洗練された博物館となっている。

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↑ 旧石器時代の人骨と石器、タハリールの考古学博物館は古いだけに内部が暗かったが、こちらは明るい。立体的に展示して裏からも見ることができたりするのも、今までになかったこと!

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↑ 作業工程や素材などの展示も重視している。古代エジプト的ジオラマって資料的な価値もあるけど、何より可愛いんだ。

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↑ ヌト女神が出産用の椅子でイシス女神を産むところのレリーフ。なんか妙にリアルだなあ。

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↑ 新王国時代の楽器、ハープ。ルクソールの貴族(ナクト)の墓の壁画に「楽隊」が描かれている、あれです。

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↑ ナクトの墓で撮影した壁画はこちら。博物館にもレプリカ置いてほしいな。この壁画、おみやげ用のパピルスの題材としてもよく見かける有名な三人官女(?)です。

新しい博物館だけあって、ミュージアムグッズもクオリティが期待できそうです。プレオープンで使用していた展示コーナーも整備して再オープンするようです。アフターコロナのカイロ旅行、楽しみが増えています。

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