バーカウンター。

バーカウンターで、いつも素敵な出会いがあるとは限らない。しかし、そこには確かな音楽がある。レコードのしるしのような音圧が、教えてくれることはたくさんある。家でも飲めるウイスキーをわざわざ頼むのにも、ちゃんと理由があるのだ。

例えば、レコードは空気を含んで音を届ける。あの破裂音をノイズと捉えてはならない。(それが、少なくとも僕の短い人生の中での一つの教訓だ。)あのプチリという音の中に、レコードの深みがあり、収録の空気感が含まれている。それはちょうどシャボン玉のように届き、僕の肌に触れて弾ける。それは、バーカウンターのちょっとした奇跡に他ならない。

音圧に浸り、酒と煙草に耽っていると、きっと素敵な相手があなたの隣りに座る。それもまた、バーカウンターの奇跡に他ならない。

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