新しい内臓。

新しい内臓が、体内で組成された。レントゲンを撮ったら、びっくりしてしまうかもしれない。胃とか腸とか、そのあたりにできたと思う。肝臓あたりがちぎれたのか、気付かないうちにむくむくと育っていたのか。いずれにしても、新しい内臓は僕の体内に確かに存在している。

役割はなんだろう。僕は昨夜の自分と、現在の自分を比較してみる。気分は悪くない。オキシトシンを垂れ流し続ける、便利な内臓であるのかもしれない。体温が少し高い。カイロみたいに、熱を溜め込んでくれる内臓であるのかもしれない。

僕はベッドから身体を起こし、カーテンを開いた。外は清々しい秋晴れで、新しい内臓を迎えるにはぴったりの日和だ。僕は新しい内臓に「秋晴れ」という名前を付けた。内臓の名前には不格好だが、そういう内臓もあった方が面白い。

コーヒーを一杯。ラジオ体操を三回。新しい内臓と僕。新しい内臓と世界。これまでの内臓と喧嘩を始めないように、僕は時々お腹をさすっている。


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