不確かな教室。

放課後の教室に、いつまでも一人で残る女の子がいた。

「ねぇ、肝試しをしようよ」

友人は不敵に微笑んだ。

「あの娘がいつまでああやって座っているのか、観察しよう」

僕と友人はベランダにそっと隠れ、その女の子の様子を覗いていた。女の子は何をするでもなく肩肘をつき、時々突っ伏して眠っている。

「ねぇ、さすがに長すぎやしないかい」

日は沈み始め、僕と友人は少し不安に思った。

「でも、今さら出たら、さすがに怪しすぎやしないかい」

そうしているうちに、夜が来た。教室のベランダの周りには街灯が少なく、闇が僕と友人を包んだ。

「どうしよう」

「どうしようね」

もちろん、女の子はずっと教室の机で眠り続けていた。せめて幽霊だったら辻褄が会うんだけど、残念ながらここは現実の世界だ。


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