プレイリスト・ラヴァー。

世界で最も幸せな時間は、翌日のドライブのプレイリストを編む時間だ。行き、寄り道、突然雨が降った時、渋滞に巻き込まれた時……それぞれの時間や状況に合わせて調和するプレイリストを編むことは、私にとってドライブそのものよりも悦びに溢れているかもしれない。

プレイリスト。ジャンルに殊更こだわればいいプレイリストが出来るほど、音楽というものは単純ではない。それは、一つの状況に対する応答なのである。ジャンルと呼べるものはそこでは無意味で、一曲一曲、その繋がりであったり奥行きであったりを掛け合わせる。ある意味で、その連なりは混沌と呼べるかもしれない。しかし、人は彩色に富んだ抽象画に眼を奪われるものだ。

僕は何時間もかけて、プレイリストを完成させる。夜更かしをしてしまった。しかし、よくできたプレイリストがドライブには必要不可欠であるし、それがなければ素敵なデートにも暗雲が立ち込めてしまう。僕はスマートフォンの電源を落とした。レコードやらカセットテープやらの方が趣があるような気がするが、未来からみればどれもレトロの一部だ。


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