振り返れば青春。

ははは。確かに、僕の22歳は惨憺たるものだったね。よすがたる存在は見当たらなかったし、残された希望すら絶望のメタファーだった。汚れちまった悲しみに、なんて酒を飲みながら思っていたよ。あの頃は随分酒に耽っていたな。

でもね、そういう一年って誰しもに必要なんだよ。僕はそれを確信している。無難な日々を過ごしていては、脈打つ鼓動がちともったいない。可能性ってものには幅がある。つまりね、リスクを取れば他人より失敗を引き受けなければならないってこと。いつまでも青写真を描くなら、血みどろの日々も厭わっていられないのさ。

振り返っても、僕はあの頃の自分が誇らしいよ。だってそうだろ? 光の射し込まない暗渠でも、僕は歩みを止めなかったんだ。しかも、誰も傷つけなかった。それって、褒められることだと僕は胸を張って言えるね。

-追悼 20XX年Y月Z日

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